デンタルアドクロニクル 2020
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7人生100年時代に“歯科”ができること2020  巻頭特集1重点研究委員会では新規のメンバーによって、後述する歯科イノベーションロードマップを完成させ、その成果をさまざまな伝達方法を駆使して社会に発信していきます。 日本歯科医学会が2018年4月から取り組んでいる2040年問題への対応、「健康寿命の延伸に貢献するイノベーション」では27分科会から提案があった156テーマは、3つの大きな枠組みの中に分類・整理してロードマップの形で世の中に発出する段階を迎えています。本年は、歯科界のイノベーションテーマとして、どなたもが利用することが可能な「オープン・イノベーション」として発出しますので、多くの企業などに取り組んでいただき、さまざまな歯科医療の現場で活用できるものとして具現化していただきたいと思っています。2040年までの7年ごとのマイルストーンで示した内容は、国民に対する歯科界の約束事でもあります。日本歯科医学会連合の取り組み「口腔機能発達不全症」の通称名を商標登録 次に、日本歯科医学会会長立候補時の公約であった法人格を有する学術団体として、2016年4月に「日本歯科医学会連合」を立ち上げ、2019年7月から3期目を迎えています。この学会連合設立の大きな目的の1つは、(一社)日本医療安全調査機構の法人社員となることと、2018年4月に設立した(一社)日本歯科医療専門医機構の法人社員として、設立ならびに運営支援をすることでした。 日本歯科医学会連合では、法人格が必要とされるこれらの活動の継続のほか、行政などからの委託事業の受託推進、その他、具体的な医療器財などの開発支援をするなどの関連事業を大きく展開していくことが求められます。2019年には子どもの発達支援を目指し、子どもの「口腔機能発達不全症」の理解を得られやすくする通称名を商標登録に出願しました。この名称が登録商標として認められれば、歯科界として積極的に社会に発信し、子どもの口腔機能の発達支援をしていきたいと考えていて、この商標をもとに新しい歯科の時代がくることを期待しています。日本歯科専門医機構の取り組み2020年春、機構認証の歯科専門医が誕生 2018年4月に創設された(一社)日本歯科専門医機構は、登録された歯科専門医および各学会の専門医制度を継続的に管理・監督するとともに、継続的に質の向上を求めるためにそれらを支援することが、その役割と考えています。 そこで、2019年8月から機構認証の歯科専門医のための認証審査の受け付けを開始しました。2019年9月と11月には、社員である各学会と患者団体の代表が一堂に会して、国民が必要とし、理解が得られる新たな歯科専門医を創生することを目的としたワークショップを2回開催し、歯科の基本領域の専門医名称について検討しました。今春には機構認証の歯科専門医が誕生します。今後は基本領域の専門医名称を増やす予定です。第24回日本歯科医学会学術大会歯科界からのイノベーション加速に向けて 最後に、2021年9月に横浜市で開催される第24回日本歯科医学会学術大会もプログラムの公募の段階に入りました(図3)。歯科界からのイノベーションが一段と加速することを目指す本大会は、日本歯科医学会と日本歯科医師会が主体性をもって開催いたします。新しい歯科界の方向性を示す大会を目指して準備してまいりますので、多くの方々のご参加をお願い申し上げます。図2 (一社)日本歯科専門医機構の組織図(令和元年12月5日現在)。図3 第24回日本歯科医学会学術大会のポスター(第一弾)。

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