デンタルアドクロニクル 2020
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92JAID特集2020 JAIDでは国内で学術集会やセミナーを開催し、会員の皆様の交流を深め、ともに学ぶことで情報を共有しています。 2019年2月にはJAID総会・学術大会を開催しました。米国・シカゴ開業のSam Simos先生とロサンゼルスで開業するJAID顧問の清水藤太先生を招き、ご講演いただきました。 歯内療法専門医の清水先生は、日常臨床のすべてのケースをマイクロスコープ下で施術されます。今回はご講演にもかかわらず、檀上にマイクロスコープ本体と診療用チェアを手配し、より実践に近い形式でポジショニングや根管治療の要点を説明していただきました。このような形式での講演は、より理解しやすかったのではないかと思います。 Sam Simos先生のご講演は、審美修復における支台歯形成や修復材料の特性など多岐に及びました。特に歯冠修復物をいかに適切に前処理し確実に接着するかについての詳しいお話がありました。どのような修復物でも支台歯に適切に接着することは世界共通のトピックスであり、あらためて確実に行うことの重要性を認識させられました。講師の先生方をお招きした懇親会も盛況で、充実した学術大会となりました。 5月には英語論文抄読セミナーを開催しました。同セミナーは米国・ロマリンダ大学に留学経験のある森本太一朗先生を講師とした、今回で7回目を迎える人気セミナーです。一般歯科からインプラントや矯正治療など多岐にわたる英語論文を抄読し、エビデンスを共有することを目的としています。また、JAIDでは書籍の執筆活動を行っており、これら英語論文に基づくエビデンスは書籍を編纂するうえでも非常に役立っています。 また、JAID顧問の鈴木仙一先生、五十嵐 一先生が同年に還暦を迎えられたこともあり、理事会も兼ねたお祝い会を開催しました。同会には米国からBaldwin Marchuck先生にサプライズゲストとして来日していただきました。Marchuck先生は両先生と昔から親交が深く、サプライズでのご登場の際にはお二方とも涙を浮かべ喜んでいました。普段とは違った趣きでの集まりは、先生方との親交を深めるのみならず、日々の臨床のちょっとした疑問などを皆様で相談するといったセミナーのようなお話があちらこちらで繰り広げられ、思い出深い会となりました。 JAIDでは、2020年も引き続きさまざまなセミナーを企画しています。皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。JAIDの国内活動新井聖範(JAID理事、大阪府開業:artistic dental clinic)2019年2月に開催したJAID総会・学術大会。米国で開業するJAID顧問の清水藤太先生からマイクロスコープを臨床で活用するためのポイントを解説していただいた。5月に開催した英語論文抄読セミナー。森本太一朗先生を講師として毎年行われている。海外のドクターと直接コミュニケーションをとって学んでいこうとするJAIDの活動の土台となっている。JIAD顧問の鈴木仙一先生、五十嵐 一先生の還暦祝いの会。米国からBaldwin Marchuck先生にゲストとして来日していただき、会は大いに盛り上がった。

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