デンタルアドクロニクル 2021
103/172

101尾島氏、ロバート氏による「DSD TOKYO 3 days」オープニングの様子。師の力添えをしたいと考えたからです。 私はクライアントのクリニックの中で仕事をしており、また歯科医師の資格もあったので、ほとんどのクリニックで歯科技工士としての仕事以外にも患者の治療に携わることができました。そしてその両方が私の学習意欲を向上させたのです。そのなかで、利益をあげる歯科技工士として、差別化できるセラミックの製作や患者へのスマイルデザインの提供など、専門領域を増やしていかなければならないと感じていました。そのためには治療計画からかかわり、普通の歯科技工士とは違うことをやらなければならない。歯科医師のパートナーであり、患者への有益な利益を提供するコミュニケーターとしての役割をそのときに学びました。 しかし、差別化のためには3つの課題がありました。まず、美しいスマイルデザインを提供すること。しかも常に実現性の高い方法でなければなりません。次が治療計画の質です。これは歯科の領域ではもっとも難しいものです。最後に価値を創造すること。患者とコミュニケーションを図り、心理的な側面を解決することにわれわれ歯科医師は長けておりませんでした。当時、つまり今からたった数十年前の話ですが、患者の顔を撮影する歯科医師はおりませんでした。そこで私は、解析可能なデータすべてで、歯と歯肉、そして顔の関係を分析しました。そして気づいたのが、患者の口腔内で治療し、結果を見ることはある意味で無駄なことかもしれないということです。つまり治療の失敗を前もって避ける、あるいはなくすためには、口腔外にいたほうが効率性が上がるということです。そのためには新たなツール、新しいソリューションが必要です。コンピューターを使って患者の口を使わずにできるのであれば、なぜそれをやらないのかということです。 そのソリューションこそがDSDです。治療の効率化、患者の満足度の向上、そして差別化によるクリニック経営の成長、DSDはそれぞれにとても貢献できるシステムなのです。 セミナー初日は、DSD Key Opinion Leaderである尾島賢治氏の挨拶で幕が開けた。その後、DSD全米のトレーナーであるLindi Rigo氏により、DSDコンセプトにおける患者来院1日目ならびに2日目の診療の流れのオンライン解説。次に尾島氏によるDSDを用いたアライナー矯正治療についての講演、そしてCoachman氏によるエモーショナルデンティストーリーについてのオンラインセッションが行われた。 続いてセミナー2日目には、尾島氏による「DSDコンセプトによるインビザラインのさまざまな矯正」で開始。さらに日本臨床歯科学会理事長である山﨑長郎氏をゲストスピーカーに迎え、「審美長期経過症例とラジネートべニアの最前線」について講演された。最後にCoachman氏による3Dと2Dのプランニングセッションが行われた。 最終日には、DSD Residencyコース1の受講生でもある築山鉄平氏、同じくコース2の受講生の木戸淳太氏による講演などが行われた。なお3日目のすべての講義終了後、DSD FounderのCoachman氏から築山氏と木戸氏がDSD公式Key Opinion Leaderとして指名された。ゲストスピーカーで日本臨床歯科学会の山﨑長郎氏が登壇ゲストスピーカーで日本臨床歯科学会の山﨑長郎氏が登壇新たなDSD Key Opinion Leaderに築山鉄平氏、木戸淳太氏を指名新たなDSD Key Opinion Leaderに築山鉄平氏、木戸淳太氏を指名ゲストスピーカーの山﨑氏。尾島氏の呼びかけで登壇。DSD Key Opinion Leaderに選出された築山氏(左から2番目)と木戸氏(左端)。DSD TOKYO 3daysサマリー

元のページ  ../index.html#103

このブックを見る