デンタルアドクロニクル 2021
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オールデンタルで迎え撃つwithコロナ時代  巻頭特集19ションに則った感染対策を講じています。エアロゾル対策としては、口腔外バキュームの設置、クラスB滅菌器の導入などを行っていましたが、CO-VID-19が流行した初期の段階から、スタッフにも十分な感染対策がなされているべきだと考え、エプロンやフェイスシールドなどをスタッフに支給しました。現在もそれらを着用したうえで、日々の診療にあたってもらっています。 さらに、なるべくスタッフ間での共有物を減らすために、iPadを1人1台支給しました。カルテの記入や患者さんに対する説明は、すべてiPad内の「Dental X Family」という歯科専用のアプリを用いて行ってもらっています。 そして、雇用条件をより良くする努力も必要なことだと思います。当院では、スタッフへの健康保険や厚生年金の完備はもちろん、1日8時間もしくは週40時間の就業時間の厳守、1分単位の残業代支給、有給休暇の積極的な消化を促すなどしています。 これで十分かはわかりません。しかし、いずれにしても「コロナ禍であっても勤務したい職場」であるために歯科医院がどうあるべきかを、経営者としてはつねに考えておくべきだと私は考えています。「withコロナ」では、今後、プロフェッショナルケアの需要が高まる 現在、私たちの生活様式が「withコロナ」となっているように、医療現場においては、現在講じている感染対策を今後も行い続ける必要があるでしょう。そして、「withコロナ」においては今後、歯科の治療ニーズが変化すると考えられます。 コロナ禍において、患者さんは誰もが「コロナに罹りたくない」と考えていますので、患者さんの健康観はますます向上するでしょう。また、「新型コロナウイルスへの予防策として口腔ケアが重要である」という論文もあり、口腔への健康観もますます高まることが予想されます。 このことから、歯科においてはTBIやPMTC、フッ化物洗口などのプロフェッショナルケアの需要が高まると私は考えています。COVID-19による変化に対して全力で適応しよう COVID-19の出現によって、私たちの生活は一変し、これまでの常識を覆すような事態が次々と起こりました。私たち歯科医療従事者にとっても、今までなかったような対応に追われ、診療体制にも変化が起きました。 一方で、患者さんの健康観が向上したり、常日頃行っている感染管理を見直す機会ができたりなど、あるべき方向へと加速した面も否めません。 現在は人と人との接触を避けるため、各講演会、勉強会などはオンラインに移行しています。Zoomなどの“オンライン講演”では、リアルタイムで視聴できなかった場合、後追いで視聴できる“見逃し配信”機能もあります。これを機会に、専門外の分野を学び直すのもいいかもしれません。 COVID-19によって失われたことにクヨクヨするよりも、それによってもたらされた変化に全力で適応し、そのなかで患者さんの信頼を勝ち得るための歯科医療を模索することが、今歯科医療従事者にできる最大の努力ではないかと私は思っています。(談)図1 当院のホームページでは、TOPページにCOVID-19感染対策についてのリンクを設置し、患者に注意を促している。図2 患者さんにどのような感染対策を講じているかをアピールすることが重要である。本図は、当院内に掲示しているポスター。

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