デンタルアドクロニクル 2021
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38クラレノリタケデンタル株式会社山﨑長郎  岡口守雄  大河雅之Part 1 今後の歯科医療の展望と修復材料への期待メタルフリー修復の現状と今後の展望山﨑 お忙しいところお集まりいただいて本当にありがとうございます。本日は、クラレノリタケデンタル社が販売するさまざまな装置とマテリアルについて、先生方のご意見・ご提案を踏まえてディスカッションしていきたいと思います。よろしくお願いします。 昨年、2020年はCOVID-19のパンデミックをはじめ、さまざまな災厄が起きたたいへんな年でした。それを受け、この対談もWeb会議で行っています。しかしその一方で、メーカーとしてもいろいろなことをじっくり考える時間になったのではないかと思います。これを踏まえ、まずは今後の歯科医療の展望と修復材料への期待を、皆さんとディスカッションしていきたいと思います。 まず、基本的にメタルフリーの修復が主流になっていくことは間違いないと思いますので、その現状と今後についてSJCD(日本臨床歯科学会)のお二人のエキスパートにうかがってみたいと思います。 まず、岡口先生からメタルフリーの修復におけるCAD/CAMおよびコンポジットレジン(以下、CR)直接修復の現状と、今後の展望についてお話しいただければと思います。岡口 メタルフリーのコンセプトですね。私も含め、SJCDでは2000年ごろから取り組んできており、私も20年を超える症例をもっています。現在の接着歯学の進化を受け、とくにエナメル質への接着についてはかなりのエビデンスが蓄積されていますので、窩洞形成に関する考え方もよりいっそう変化させていかなければならないと思っています。今まではタブーとされてきた遊離エナメル質についても、CR直接修復では可及的に残すことが歯の保存にとって最良であることがわかってきました。海外ではすでに25年、30年経過の症例を提示される先生もおられますので、やはりこれからは接着の時代、メタルフリーの時代だろうと思っています。山﨑 そうですね。もうひとつ、CAD/CAMに関してはどうでしょう。岡口 実は、私はまだCAD/CAMを実際にまだ導入してはいません。しかし、将来的にこれは非常に発展する分野であると思っています。私のオフィスでは優秀な歯科技工士さんと組んでいますのでアナログがメインですが、

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