デンタルアドクロニクル 2021
56/172

化剤を使っていたのですが、そういった可溶化剤を用いずに溶かすことに成功したと。やはり餅屋は餅屋だと思いましたね。更家:ありがとうございます。先ほど、歯周病菌は成人の約6割にいるというお話がありましたが、歯周病菌が潜む歯垢を適切に取り除くには、やはり歯科医院に定期的に行く必要があるわけですが、このような事実を知らない人が多いですね。自分が歯周病であるということが短時間の検査でわかると、正しい対策習慣に入りやすいですよね。図9 Pg菌の増殖抑制効果を示す大阪大学大学院歯学研究科の研究。参考文献:Izui S,Sekine S,Maeda K, Kuboniwa M,Takada A,Amano A,Nagata H.Antibacterial Activity of Curcumin Against Periodontopathic Bacteria.J Periodontol 2016 ;87(1):83-90.2016天野:歯周病原因菌のPCR検査はずいぶん簡便に調べることができるようになってきましたが、歯周病の認知度はまだまだ一般の人の常識にはなっていないので、われわれのさらなる努力が必要だと思っています。 歯磨きに関しても、一般の人は歯を磨くという言葉から、タイルをゴシゴシと磨くようなイメージをもっていると思います。ゴシゴシ磨きは歯ブラシの毛先が歯の出っ張った表面だけをキレイにしていて、歯と歯の隙間など細かいところにまで入っていけません。だからゴシゴシ磨きではプラークは取れません。歯ブラシの手磨きには限界 がありますから、デンタルフロスや歯間ブラシを併用していただきたいと思います。また、最近の電動ハブラシの進歩は目を見張るものがありますので、これらをうまく使っていただくことで効果的な歯磨きが可能になります。更家:当法人の前田先生から、ユニークな技術をもった会社があるということで電動音波ハブラシを作るメーカーをご紹介いただきました。現在、音波振動とイオンの効果によってプラークコントロールがしやすく、またクルクミンも歯のすき間に入り込んで効果が発揮しやすくなるような電動音波ハブラシの開発を進めています(図10)。私はこれまで電動歯ブラシを使ったことはありませんでしたが、手磨きと比べて効果的に磨けますので、当社の電動ハブラシとクルクリンの併用も勧めたいと思っています。 ただ、商品を作っても一般の消費者に普及していくためには、やはりプロフェッショナルの歯科領域とつながる必要がありますので、歯周病予防に関する啓発活動とともに、小回りが利くわれわれの強みを生かして深めていきたいと思っています。歯科医院での定期的なクリーニングなどもそうですが、健康と思われる人でも発症しないQuint Dental AD Chronicle 202154

元のページ  ../index.html#56

このブックを見る