QDI ダイジェスト見本誌2020
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全顎的治療を経て、14年。図5-a〜e 直近SPT時の口腔内写真(2019年6月)。現在もプラークコントロールは良好であり、再介入した部位以外はすべて良好に経過している。abdec直近SPT時 (2019年6月)図5-g 同デンタルX線写真。天然歯周囲の骨の平坦化と歯槽硬線の存在、プラットフォームスイッチングしたインプラント周囲の骨の維持が確認できる。1● 2号 重度歯周病患者へのインプラント矯正/山口文誉、髙橋雅仁、土屋雅一● 3号 軟組織マネジメント/瀧野裕行、中田光太郎、行田克則、林 揚春● 4号 抜歯即時埋入の治療戦略/中村茂人● 5号 OISDを用いた前歯部治療/丹野 努        and more……特集1の今後のLINE UP本患者の今後の人生を見据えてどう治療計画を立てればよいのか?この続きは、2020年1号で……!本誌では、治療計画立案の詳細や、インプラント治療をはじめとした動的治療、患者の口腔内の経年変化への対応としての再介入、本症例に関する考察など、筆者が考える“患者主導型インプラント治療”を全20ページでたっぷり解説しています。ぜひ2020年1号をご覧ください。図21-a〜d 左右側方運動時における犬歯ガイドは確立しており、非作業側での臼歯離開が確認できる。このように形態的な評価(審美性)と機能的な評価を行うことで、歯周組織のみならず補綴装置やインプラントをも長期的に維持できると考えられる。acbd右作業側左作業側左非作業側図20-a〜h 初診時(a〜d)と直近SPT時(e〜h)の比較。₂:初診時には根尖付近まで歯根が露出していたが、抜歯後にGBRとCTGを行い、インプラントにて回復されている。₁₁₂:動揺の管理と患者が審美性の改善を希望したことから連結固定としたが、SPT期間に歯髄が失活し根管治療が必要となった。その後、再介入時にオープンフラップデブライドメントと、₁₂部の部分矯正およびクラウンの再製を行っている。aebcdfgh初診時直近SPT時機能的評価形態的評価右非作業側特集148Quintessence DENTAL Implantology─ 0048P034-053_QDI01_toku1.indd 482019/12/12 8:50 ₁₁₂を抜歯後、₂にインプラントを追加埋入し、すでに埋入されている₂部のインプラントとともに4ユニットブリッジを作製する計画を提案した。患者は、「3本抜歯になるが、これまで使っていたインプラントを再利用してインプラントを1本追加するだけで4歯分の治療ができるなら非常にありがたい」とおっしゃり、この治療計画を受け入れた。図17-a 2016年9月、₆₄部のデンタルX線写真。歯肉腫脹を主訴に来院された。図17-b〜i 初診から11年7ヵ月で₆₄が抜歯となった(b、h)。₆は第一大臼歯にしては歯根が劣形で根の離開度も低く、抜歯した歯に歯石の沈着や炎症性肉芽組織の付着が認められた(f、g)。₄は第一小臼歯にしては歯根の離開がなく近遠心部は樋状を呈していた(e)。2017年3月、₄部へインプラントを埋入し(c、i)、二次手術時に₅部を含め角化歯肉獲得のための遊離歯肉移植術(Free Gingival Graft:FGG)を行った(d)。abcdegfhi図17-j、k ₇₆₅のブリッジ(j)および₄のインプラント上部構造(k)を作製した。₆部欠損への対応をブリッジにするかインプラントにするかの判断に苦慮した。本症例におけるブリッジのメリットは、上顎洞底挙上術が不要であることなどにより低侵襲に治療することができる点で、インプラントのメリットは₇を切削する必要がない点であった。患者が₆部のラテラルウィンドウ法によるインプラント治療の経験から、₇の有髄対応が可能ならブリッジを選択したいと希望したため、₇₆₅をブリッジにした。jk上顎臼歯部への再介入(2016年9月〜2017年10月)6特集144Quintessence DENTAL Implantology─ 0044P034-053_QDI01_toku1.indd 442019/12/12 8:50*2 筆者は、抜歯窩への骨移植はソケットを保護するよりもリッジ(山の背)を保護する「リッジプリザベーション」のほうが目的に合致していると考える。また、フラップを剥離する(骨膜を骨から剥がす)行為は、骨吸収を誘発することからプリザーブという概念から離れることになるため、たとえ抜歯と同時であってもフラップを剥離した場合はGBRに分類している。*1 筆者は、現状でもインプラントは埋入できるが露出部分を増生骨で覆いたい場合を「マイナーGBR」、現状ではインプラントが埋入できないが骨増生を行いインプラント埋入が可能となる場合、つまり埋入計画に影響を及ぼすGBRを「メジャーGBR」と呼び、区別している。図10-a〜c ₆の根分岐部は炎症性肉芽組織で満たされ、根尖部にまで歯石の付着が認められた(a、b)。そのため、₆と同様に、抜歯当日は付加処置を行わず徹底的な掻爬にとどめ、軟組織の治癒を待った(c)。abc図10-d〜f 十分な治癒期間を経て₆部にインプラントを埋入した(d、e)。水平的な骨幅は不足していたが垂直的には骨が維持されていたことから、同時にマイナーGBR*1を行った(f)。直径5mm(ワイドサイズ)がアバットメント連結部で直径6mm(スーパーワイドサイズ)に拡張されたインプラントに、直径5mm(ワイドサイズ)のアバットメントを連結した。dfe図11-a〜e ₆の舌側に大きな骨吸収が認められ、₇の近心にまで及んでいた(a、b)ため、₆の抜歯時に₇近心部の歯周組織再生術と₆部のGBR*2を行った(c、d)。十分な治癒期間を設けた後、インプラントを埋入した(e)。使用したインプラントおよびアバットメントは₆部と同様である。acbde6部の動的治療(2005年5月〜2006年1月)26部の動的治療(2006年8月〜2006年12月)3特集140Quintessence DENTAL Implantology─ 0040P034-053_QDI01_toku1.indd 402019/12/12 8:50図5-a〜e 直近SPT時の口腔内写真(2019年6月)。現在もプラークコントロールは良好であり、再介入した部位以外はすべて良好に経過している。abdec直近SPT時 (2019年6月)図5-g 同デンタルX線写真。天然歯周囲の骨の平坦化と歯槽硬線の存在、プラットフォームスイッチングしたインプラント周囲の骨の維持が確認できる。146Quintessence DENTAL Implantology─ 0046 Quintessence DENTAL Implantology 2020 ダイジェスト見本誌3

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