QDI ダイジェスト見本誌2020
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好評企画も続々。The INTERVIEW―特別対談海外×国内のインプラントロジストがスペシャルコラボ。小誌でしか読めないあんなトピックからこんな話題まで。動画で学ぶインプラント手術に関するさまざまなテクニックを、毎号動画付きで解説。Esthetic Implantologyインプラントを用いて審美的・機能的に良好な回復を得た症例を、美しい臨床写真を中心に報告。長期インプラント症例を再評価する本誌過去号などで掲載したインプラント症例について、その後の経過とともに考察する。2019年1号「時間軸を考慮した審美領域におけるインプラント治療戦略─低侵襲な治療を目指して」(林 丈裕)P.82-83より。注目のBBAテクニックをFrank Zastrowが解説。あのドクターのテクニックを覗き見!若手必見!10年以上の長期症例から学ぼう。長期インプラント症例を再評価する長期症例から考察する無歯顎治療プロトコルの変遷勝山英明 Hideaki Katsuyama医療法人社団さくら会理事長、ITIセクションジャパンチェアマン、東京医科歯科大学臨床教授はじめに 日本は世界でも類を見ない急速な高齢化にともない、超高齢社会へと突入した。年齢ごとの無歯顎率は年々減少してきているものの、高齢者数の増加により無歯顎患者の総数に大きな変化はないものと思われる1)。また、世界人口の約6〜10%が無歯顎と言われ、アジアと西洋諸国においては約3億人が無歯顎患者であるとされている2〜5)。 一方、無歯顎患者のわずかしかインプラント治療を享受しておらず、浸透率は極度に低い。平成28年歯科疾患実態調査によると国内の欠損歯数は、1993年と比較して2016年では同年代で約半数となってきているが、部分床義歯の装着率が50代から年々増加傾向にあるのに対し、インプラント治療を受けている患者の割合は65〜69歳までの層が最大で、年齢とともに減少傾向にある6)。 また、無歯顎患者は高齢者のみでなく、さまざまな理由によって広い年齢層で遭遇する。そのため、治療方針は個々の患者の臨床状況、年齢、要望、リスク、経済的側面などにより大きく異なり、それぞれの患者に対するオーダーメードの治療計画が必要となる。すべての異なる無歯顎患者に対し、柔軟かつ綿密に対応するための包括的治療プロトコルを検討するために、本稿では長期経過症例を供覧し、さらに科学的データによる治療プロトコルの変化について検討を加え、今後の近代的治療プロトコルの方向性を見極めたい。1999年(59歳)初診1999年(59歳)最終補綴装置装着2005年(65歳)術後6年経過時2019年(79歳)術後20年経過時―20年の経過―90Quintessence DENTAL Implantology─ 0090P090-097_QDI01_chouki.indd 902019/12/11 11:11患者の希望と負担を考慮し、上顎3前歯に対して単独インプラント補綴修復を行った症例beforeafter本コーナーでは、インプラントを用いて審美的・機能的に良好な回復を得た症例を、美しい臨床写真を中心にご報告いただく。田中秀樹Hideki Tanaka福岡県開業田中ひでき歯科クリニック4Cホール午後10/17(土)講演者論文810081 ─Vol.27, No.1, 2020P081-089_QDI01_esthe_A.indd 812019/12/11 10:19動画で学ぶ※動画閲覧方法の詳細は小社HP内「QuintMobileの使い方」をご覧下さい。https://www.quint-j.co.jp/web/AR_DL/verup.php「QuintMobile」は無料ですが、動画再生にデータ通信料が発生します。パケット定額サービスでのご利用を推奨します。なお、動画再生のサービス提供期間は、本誌発刊月から原則2年間となります。バックナンバーをご覧になりたい方は、上部の「バックナンバー」をタップし、該当月を選んで誌面にかざして下さい。バックナンバーの動画閲覧方法バックナンバー 2019年6号QuintMobile?ザ・クインテッセンス2017年1月号QuintessenceDENTAL Implantlogy2017年1月号アプリを起動すると、メニュー画面が起動します。見たい動画の掲載誌を選択します。2 メニューから該当誌を選ぶカメラ画面が起動しますので、これを「QuintMobile」マークのついたページにかざすと動画が起動します(再生開始まで、数秒かかります)。3  のついた写真にかざすMovie「QuintMobile」無料公開中!iPhoneをご利用の方は、App Storeにて「QuintMobile」(無料)を検索し、インストール。Androidをご利用の方は、Google Playにて「QuintMobile」(無料)を検索し、インストール。1 アプリをダウンロードQuintMobile検索本サービスは、iPadほかタブレット端末でもご使用になれますが、iPadでご利用の際は アプリ検索時の設定を「iPhoneのみ」として ください。※iPadでご利用の際の注意点※iOS9の場合誌面で紹介しているテクニックなどを動画でわかりやすく解説します。 審美領域のインプラント治療における良好な結果とは、周囲天然歯と同様の軟組織カントゥアを構築し、その上から周囲天然歯と同様の補綴装置のカントゥアを付与することであると考えている。天然歯と判別できない仕上がりを得るために硬・軟組織を併せた組織増生処置が重要であるが、硬組織増生のみで十分な審美性を達成することは難しい。そこで、軟組織の増生により最終的なインプラント周囲組織の形態を整える必要が生じる。手術回数を増やさないためにも二次手術時に最終結果を予測して増生処置を行いたいところだが、ここで紹介するのはその上で再度の結合組織移植(CTG)を行い、最終的に良好な結果を得た症例である。中田光太郎(Kotaro Nakata)京都府開業:中田歯科クリニックマイナーロール法と上顎結節からの結合組織片を用いた前歯部インプラント治療1Aホール午後10/17(土)講演者論文230023 ─Vol.27, No.1, 2020P023-025_QDI01_sumaho1-4.indd 232019/12/11 9:11 さる2019年6月、東京都内においてFrank Zastrow氏の水平・垂直的骨増生ハンズオンが行われた。日本ではまだあまり知られていないZastrow氏であるが、ヨーロッパでは著名な口腔外科医としてBBA Academyを立ち上げ、世界中で骨増生を中心とした講演活動を行っている。その骨増生コンセプトは、自家骨のみを用いて、人工骨もメンブレンも一切使用しない。さらに、待時期間も約4ヵ月程度だという。 今回ハンズオンを主催した中澤 玲氏(東京都開業)にインタビュアーを務めていただき、Zastrow氏の骨増生テクニックの詳細を聞き出してもらった。また、翻訳・編集にあたっては片渕三千綱氏(米国開業)にご協力いただいた。 (編集部)Dr. Frank Zastrowが語るBBAテクニックを用いた骨増生Frank Zastrowドイツ開業、BBA Academy主宰中澤 玲 Rei Nakazawa東京都開業:リリアーナデンタルクリニックGINZA1Bホール午後10/17(土)講演者論文特別対談270027 ─Vol.27, No.1, 2020P027-033_QDI01_tokubetu.indd 272019/12/11 9:17最終上部構造装着(インプラント埋入後11週)図16-a~f 隣在する抜歯窩の三次元的な骨のハウジングをイメージし、そのハウジング内にインプラントを口蓋側低位に位置させて、周囲のスペースに血餅保持の目的で骨補填材を填入することにより、インプラント周囲に骨が形成される。インプラント埋入ポジションの決定は、骨のハウジングの理解が重要となる。図15-b~d 歯肉縁レベルの連続性が得られ、歯肉の成熟が確認できる。重要となるのは、上部構造のsoft‐tissue protected profileである。インプラントプラットフォームから軟組織を過度に圧迫せずに栄養供給を保つような形態 、ストレートな形態を付与することが鍵となる。この補綴デザインを理解することにより、長期性に富んだ審美的結果が獲得できる。(技工担当:上原芳樹、有限会社ファイン)図15-a 口腔内では、まずアバットメントを規定トルクにて装着し、ゴールドキャップを装着する。そして、ゴールドキャップに対してジルコニアクラウンをレジンセメントにて接着する。その後一度上部構造物を外し、アバットメントを口腔内から外す。歯肉縁下に入った余剰セメントを除去するためである。通常のセメント固定ではこのような方法は行えない。ただし、アバットメントは外す前と外した後で位置関係がズレてはいけないため、細心の注意を払わなくてはならない。bcdabcdef最終上部構造装着後2週82Quintessence DENTAL Implantology─ 0082P075-083_QDI01_esthe_A.indd 822018/12/11 10:34Esthetic Implantologyおわりに インプラント修復治療を行うにあたって、患者要素(年齢、要望、費用、期間)、全身的要件(創傷の治癒を妨げる因子、外科的処置のリスク)、局所的要件(欠損部位における骨質・骨量・唇側部歯槽骨形態、抜歯該当歯のコンディション、隣在歯の歯周組織形態、上下顎のバランス・咬合)などの要素を考慮し進めていくことにより、治療期間を含めた侵襲の少ない最終ゴールを見据えた治療戦略が立てられ、患者の快適な生活・社会心理的要求を満たすことができる。患者は、インプラント治療を受けるために、高い費用を支払い、また外科手術という精神的・肉体的苦痛も受けなければならない。 であれば、患者不在の計画ではなく、痛みも少なく、治療期間も短いという治療に対する付加価値を患者に与えることがこれからの時代のニーズであると筆者は考えている。参考文献1.Al-RasheedA,Al-ShabeebMS,BabayN,JavedF,Al-AskarM,WangHL,Al-HezaimiK.Histologicassessmentofalveolarboneremodelingaroundimmediateimplantsplacedinsingleandmultiplecontiguousextractionsites.IntJPeriodonticsRestorativeDent2014;34(3):413-421.2.LinkeviciusT,PuisysA,VindasiuteE,LinkevicieneL,ApseP.Doesresidualcementaroundimplant-supportedrestorationscauseperi-implantdisease?Aretrospectivecaseanalysis.ClinOralImplantsRes2013;24(11):1179-1184.3.林揚春.クリニカルインプラントデンティストリー4Sコンセプト・審美領域編.東京:ゼニス出版,2018.術後12ヵ月図17 最終補綴装置装着後12ヵ月の上顎前歯部唇側面観。歯間乳頭部は維持され歯肉退縮も認められず良好に経過している。即時埋入・即時修復は、よりアドバンスな治療法ではあるが、術者がこの概念・手法を理解することにより、患者に大きな恩恵をもたらす。図18 術後のスマイル。術前に認められた口唇の突出感および口唇と前歯部のバランスが改善されている。埋入後11週でこの結果を得て、患者の満足度は大きい。830083 ─Vol.26, No.1, 2019P075-083_QDI01_esthe_A.indd 832018/12/11 10:34 Quintessence DENTAL Implantology 2020 ダイジェスト見本誌7

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