QDT ダイジェスト見本誌2020
4/8

4QDT 2020 ダイジェスト見本誌84連載 Intra Oral Scanner : A beginner’s guide 今後、デジタル技術は歯科の中心となっていく。これは、疑いようのない事実ではなかろうか。歯科医療従事者はこの後、さらにデジタル技術により理解を深め、付き合っていかなければならない状況となっている。こうした中で、Intra Oral Scanner(口腔内スキャナー。以下、IOS)は、今後の日常臨床で「一般的に使用する普通の歯科器具」となる可能性を秘めている(図1)。これを受け、すでにさまざまな雑誌や書籍が企画・発刊され、多くがIOSの種類や使用に関する理論について解説している。 こうした中、今回の連載企画では従来とは視点を変えて、「そこまで必要!? 徹底的に手取り足取り!」をコンセプトに、「IOSは診療室のどこに置いたら良いの?」「スイッチはどこにあるの?」「どのようなことで困るの?」など基本的な疑問に答え、これからIOS【はじめに:連載開始にあたって】歯科医師によるデジタル印象採得図1 IOSを導入することで、歯科医師や歯科技工士は患者に対する負担を軽減しつつ高品位な補綴・修復装置やサージカルガイドなどを製作し、優れた歯科治療とその結果を提供可能となる。第1回:先生のオフィスにIOSは本当に必要?/どのようにIOSを選び、購入するか?歯科医師・歯学博士八重洲歯科診療所/日本歯科大学生命歯学部接着歯科学講座東京都中央区八重洲2-1 八重洲地下街中1号中村昇司 Shoji NakamuraQDT Vol.45/2020 January page 0084p084-094_QDT01_koukuscan.indd 842019/12/10 9:4「IOSを診療所のどこに置く?」「無線LANは必要?」「IOSはどう握る?」……など、ユーザー視点でのアドバイスが満載!☞882019年11月現在で入手可能なIOS各種図14 プライムスキャン(デンツプライシロナ)。図15 Trios 3(3Shape)。図16 iTeroエレメント(アライン・テクノロジー・ジャパン)。図17 トロフィー3DIプロ(トロフィー・ラジオロジー・ジャパン,ヨシダ)。図18 コエックス i500(Medit,ヨシダ)。図19 プランメカ Emerald(Planmeca Japan)。 以前は、オープンシステム(IOSで採得したデータを共通言語であるStandard Triangulated Language〔STL〕フォーマットとして構築し、それをComputer Aided Design/Computer Aided Manufacturing(以下、CAD/CAM)システムへ送ることで加工機のメーカーを選ばず多様なシステムで補綴・修復装置などを製作できる)とクローズシステム(IOSで採得したデータをIOSメーカー独自のファイルフォーマットで構築し、それを特定のCAMシステムへ送ることで安定した信頼性の高い補綴・修復装置などを製作できる)が、パソコン(以下、PC)でいうウィンドウズとマッキントッシュのようにおおむね別のものとして存在していた。 しかし現在では、オープンシステムとクローズシステムの峻別は意味をなさず、どのようなIOSとCAD/CAMシステムの組み合わせでも補綴・修復装置が製作できるといわれる。だが、このことに関して筆者は現在、確認と、可能ならば検証を要すると感じている。 これらのことを総合的に判断しながら、歯科医師は今後も増えていくと思われるIOSを選択し導入しなければならない。以下に、そのための検討事項について示す(図14~19)。①メーカーのフォローアップとスタッフの知識:説明書に書いていない情報はメーカーから得るしかない! IOSは新しい商材であるために、「買うほうも、売るほうもよくわからない」という状態が生じうる。よって、IOSの販売元が適切なフォローアップを行えるか否かが重要なポイントのひとつとなる。当然、IOSを導入する歯科医師はそのシステムに関して自ら勉強しなければならないが、それまでにIOSを使用した経験がなければ分からない点も数多く存在する。また、システムの初期トラブルも発生するかもしれない。 ここで、販売元が適切なフォローアップ体制と知識をもち、迅速に対応してくれるか否かが大切であるp084-094_QDT01_koukuscan.indd 88 2020年1~12月号で!この続きはQDT 2020年新連載紹介その①今、大注目の口腔内スキャナーの購入から使いこなしまでを徹底ガイド!

元のページ  ../index.html#4

このブックを見る