QDT ダイジェスト見本誌2020
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5QDT 2020 ダイジェスト見本誌D(A)臼歯部の窩洞に、コンポジットレジンを盛り始めているような状態(B)臼歯部の窩洞の上に、メタルインレーが浮いているような図(C)シリンジからコンポジットレジンを出して、充填器ですくい取っている図(D)片顎のアルジネート印象の印象面CBAD(A)臼歯部の窩洞に、コンポジットレジンを盛り始めているような状態(B)臼歯部の窩洞の上に、メタルインレーが浮いているような図(C)シリンジからコンポジットレジンを出して、充填器ですくい取っている図(D)片顎のアルジネート印象の印象面CBAラボサイドでインレーなどの修復物を製作し、次回来院時にセットする。では、患者に説明する際、直接法と間接法のメリット、デメリットを正確に説明できているだろうか?患者満足のための補綴・修復コンサルテーション今回のテーマ「直接法と間接法」のメリットとデメリットを患者さんに説明できていますか?連載 修復には、コンポジットレジン修復(以下、レジン修復)に代表される直接法と、各種材料が選択できる間接法がある。通常、直接法は成形材料により1回で修復が終了する。間接法は、初回に材料選択のインフォームドコンセント後、窩洞形成・印象採得などを行い、企画趣旨か? 例を挙げるならば、コンサルテーションやWebサイトの内容の充実などが考えられるが、本企画では巷で聞かれる「『自費診療に用いられる材料・術式』と『保険診療に用いられる材料・術式』の違いを、歯科医師を含めた歯科医療スタッフが理解しておらず患者に的確に説明できていない」という問題の解決をめざす。より端的にいえば、「歯科医療スタッフの材料・装置に対する知識不足による機会損失」を防ぐための連載企画である(全12回予定)。ぜひ、スタッフ全員でご愛読いただければ幸いです。(編集部) 歯科医師を筆頭とする歯科医療スタッフは、それぞれがもてる知識と技能を発揮して個々の患者に最適な治療を提供するが、とくに補綴・修復治療においては選択する材料・装置の種類が治療結果および収益と比例する場合がほとんどであり(もちろん、術者の確かな手技が前提になることはいうまでもない)、無理強いすることなく、自然なかたちでよりメリットのある治療を患者に選択していただくことが、患者にとっても歯科医療スタッフにとっても利益につながることは疑いようがない。 こうした中、患者を導くためには何が必要だろう坪田有史歯科医師・坪田デンタルクリニック東京都文京区小日向4-7-14今日からつかえる!!医院全体で共有できる!!第1回 窩洞に対する処置①直接法と間接法p049-052_QDT01_konsaru.indd 492019/12/10 9:26☜毎回、患者さんとの質疑応答例で保険と自費の材料の違いが学べる&説明できる!歯科医師:虫歯になっているところを削ることは同じですが、そのあと直接法は、失ってしまった歯の部分をコンポジットレジンなどの材料でお口の中で「直接詰めて」治します。今の虫歯治療の流れでは、「ミニマルインターベンションデンティストリー」といって虫歯の部分だけを削って、歯に接着する材料で治療を終える考えかたが主流です。しかし、どのようなケースにも直接法が向いているわけではありません。その場合、間接法を選択します。間接法の場合は、修復物が入るように削った後に、型を採って石膏の模型上で精密にインレーなどの修復物を作ります。その修復物を次回来院時にセメントで装着します。したがって通常、直接法は1日で治療が終わりますが、間接法では2回は来院していただく必要があります。患者:1日で終わる直接法が良いのですが、できますか?歯科医師:虫歯の大きさと、虫歯になっている場所などによって直接法で修復できるケースと間接法を選択した方が良いケースがあります。小さな虫歯は問題ないですが、比較的大きな虫歯や隣接面とよばれる隣の歯との間に虫歯があるケースでは、直接法で治療することが困難な場合があります。できないわけではないですが、治療後に痛みなどの違和感がなく、隣の歯との間に食べ物が挟まらないで、長期間にわたって壊れずにしっかり噛めていただくことが治療の目的です。ですから壊れない強度が必要ですし、噛み合わせを正確に付与する必要があります。また、隣の歯との間に食べ物が挟まらないよう、元の歯の形と同じにするため、とくに比較的大きな虫歯の場合、間接法を選択した方が良い場合も少なくありません。患者:間接法を選択した場合、来院回数以外にどんなデメリットがありますか?歯科医師:直接法は、虫歯の部分のみを削って歯に接着する材料で詰めれば良いですが、間接法の場合、製作した修復物が入らなければいけません。ですから作った修復物が入るように健康な歯の部分を削る必要があることがデメリットと言えます。また、直接法で詰めるコンポジットレジンは歯の色調と合わせて元の自然な歯の色と同じようになりますが、間接法の場合、保険診療では、通常銀色の金属の修復物になります。コンポジットレジンによる白い修復物も選択できますが、強度的に金属より劣るので削る量が多くなります。保険外診療でよければ、セラミックなどの強度もあって歯の色と同じ修復物が選択できます。Q.直接法と間接法の違いは何ですか?D(A)臼歯部の窩洞に、コンポジットレジンを盛り始めているような状態(B)臼歯部の窩洞の上に、メタルインレーが浮いているような図(C)シリンジからコンポジットレジンを出して、充填器ですくい取っている図(D)片顎のアルジネート印象の印象面CBAD(A)臼歯部の窩洞に、コンポジットレジンを盛り始めているような状態(B)臼歯部の窩洞の上に、メタルインレーが浮いているような図(C)シリンジからコンポジットレジンを出して、充填器ですくい取っている図(D)片顎のアルジネート印象の印象面CBAD(A)臼歯部の窩洞に、コンポジットレジンを盛り始めているような状態(B)臼歯部の窩洞の上に、メタルインレーが浮いているような図(C)シリンジからコンポジットレジンを出して、充填器ですくい取っている図(D)片顎のアルジネート印象の印象面CBAD(A)臼歯部の窩洞に、コンポジットレジンを盛り始めているような状態(B)臼歯部の窩洞の上に、メタルインレーが浮いているような図(C)シリンジからコンポジットレジンを出して、充填器ですくい取っている図D)片顎のアルジネート印象の印象面CBA押さえるべきポイント:あくまでも術者が診断することを伝えた上で、各種オプションを説明しよう 他方、間接法を選択するケースは、窩洞形成前に歯冠色による修復を望むか否か、また金合金による修復を選択するかを確認し、保険外の各種オプションを説明すべきである。 患者には、直接法と間接法のメリット・デメリットを説明した上で、う蝕除去後の歯質欠損の状態、部位、咬合状態などを考慮して術者が診断する旨を伝える。前歯はもちろん、臼歯部においてもレジン修復で対応できる窩洞は積極的に直接法で修復を行う。2019/12/10 9:27この続きはQDT 2020年1~12月号で!2020年新連載紹介その②保険と自費の違い、すぐに説明できますか? スタッフとともに読みたいQ&A集!

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