ザ・クインテッセンス ダイジェスト見本誌2024
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1特 集1特 集b図38b,c b:支台歯形成の確認.c:再形成希望箇所の伝達.デザインした形態に対して適切な支台歯形成が行われているかの確認を行う.このように3Dデータであれば,あらゆる角度からの確認が容易となり,3Dデータや画像として情報のやり取りができることは,デジタルの大きな利点といえる.③2nd PVR製作とカスタムト⑤カスタムトレーを活用したファd図34a〜f 歯根破折が認められた₁への抜歯即時インプラント埋入.134568abcefc上顎歯列データバイトスキャンデータ下顎歯列データthe Quintessence. Vol.41 No.11/2022—25115152●左側作業側運動●右側作業側運動●前方運動50the Quintessence. Vol.41 No.11/2022—2510個人トレーを使用した隣在歯を含む部分印象コンタクト調整用模型支台歯スキャン用クラウンのマージン合わせ用the Quintessence. Vol.41 No.11/2022—2512the Quintessence. Vol.41 No.11/2022—251353CASE4全顎補綴治療にIOSを応用した症例図31a図31b図31c図31d図31e図31a〜e 初診時の口腔内写真.図32 術前のデンタルエックス線写真.図33a図33b図33c図33d図33e図33a〜e 下顎の歯列不正の改善のためにMTMを行った.1st PVRの製作から最終補綴装置製作の流れ臼歯部での咬合支持がないケースでのバイトスキャン①1st PVR製作⑥最終補綴装置のデザイン設計②調整:顎位の安定を確認⑦ダブルスキャン用PVRの製作レーの製作⑧口腔内での確認と調整④2nd PVRの装着⑨最終補綴装置の製作図35 補綴装置製作の工程.本ケースのような全顎的な補綴治療では,製作工程を綿密に計画し,歯科医師(■)と歯科技工士(■)で共有しておくことが,作業の後戻りを防ぎ,最良の治療結果へとつながる.イナル用の精密印象印象⑩最終補綴装置の装着図36 1st PVRの模型上での完成.ゴシックアーチにより採得されたバイトで模型を咬合器に装着した.模型上で支台歯形成した後,ワックスアップを行い,即時重合レジンに置き換え完成させた.1st PVR装着後,経過を観察しながら調整を重ね,歯周組織と咬合の安定を図り,2nd PVRの製作に移行した.2nd PVRはIOSを活用し,フルデジタルにて製作することとした.図37e 1st PVRで決定された顎位が正確に再現された3Dデータ.2nd PVRのデザイン工程図37a IOSでは,上下顎歯列のスキャニング後にバイトスキャンを行うことで,そこで得られた3Dデータに対して上下顎歯列データが自動的にマッチングされ,咬合時の上下顎歯列の位置関係が三次元的に再現される.図38a IOSにてスキャンされたデータをCADに移行し,1st PVRで決定された咬合平面や咬頭展開角などを参考に,2nd PVRのデザインした.CADソフトに仮想咬合器の機能はあるが,実際の顎運動を再現することは困難であるため,あくまで目安として利用している.バーチャル咬合器図37b 基本的に歯列データとバイトデータは,同じ歯列の状態でなければ自動的なマッチングが難しくなるが,本ケースのように臼歯部での咬合支持がないようなケースでは,バイトスキャンの際にPVRを装着した状態でなければ顎位を適切な位置で安定させることが難しい.しかし,PVRを装着すると上下顎歯列データとのマッチングが困難になってしまう.図37c図37d図37c,d 右側のバイトスキャン時の状態.このケースでは写真で示すように,マッチングが可能な範囲で部分的にPVRを装着し,顎位を安定させた状態で左右を2回に分けてバイトスキャンを行った.左側のバイトスキャンもPVRを付け替え,同様に行った.図38d PMMAを削り出し,2nd PVRを完成させた.図3 labスキャナーで支台歯をスキャンする.シリコーン印象により歯肉縁下マージンも鮮明に再現されている.図4 歯列データにスキャンされた支台歯をマッチングさせる.図5 歯列データの支台歯部分に支台歯模型のデータがマッチングされた状態.図6 PVRで浅くなっていた列溝をオクルーザルコンパスを意識しながら,咬頭を分割するように咬合面の溝を形成した.図7a,b a:隣在歯の貫通量(135μm)分を咬合挙上させた状態での咬合接触.顎位安定のための接触点とオクルーザルコンパスを意識した咬合面設計を行った.b:元の貫通量に戻した状態の咬合接触.図8 プリンター模型でエマージェンスプロファイル形態の最終的な確認を行い,ステイニングして完成させた.最終補綴装置を口腔内に装着した状態.咬合調整は微調整で収まり,良好な咬合接触を付与することができた.図1 インレー除去後の口腔内写真.患者は20代の女性で,₆のう蝕治療で来院された.う蝕が大きかったので,モノリシックジルコニアで歯冠修復することとした.図2a~d 歯肉縁下にフィニッシュラインを設定するケースでIOSを応用する場合に筆者の医院で用いているデータ.a:PVRスキャンデータ.b:上下顎歯列データ.c:バイトスキャンデータ.d:支台歯の精密印象.the Quintessence 2024 ダイジェスト見本誌112a2b7a7b2c2dCASEデジタルとアナログを融合させた“ハイブリット方式”による補綴治療を解説!天然歯支台歯の歯肉縁下にフィニッシュラインを設定したケースこの論文を無料で全文読む!

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