ザ・クインテッセンス ダイジェスト見本誌2024
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8the Quintessence 2024 ダイジェスト見本誌 現在,ジルコニアセラミックス(以下,ジルコニア)を用いたオールセラミック修復の臨床が盛んである.その臨床応用が始まった2006年当時は,ジルコニアの有する優れた機械的特性に注目が集まり,主に陶材焼付鋳造冠(メタルセラミックス)の代替えとして用いられた. そこから約14年,ジルコニア材料の色および機械的特性にバラエティが生じた現在,ジルコニアは,モノリシックレストレーションとしてときに臼歯部メタルクラウンの代替えとして,また前歯部においてもプレスセラミックスの代替えとしても用いられるようになり,その用途は拡大している.そして,われわれ歯科医師は,このようにバラエティに富む現在のジルコニア材料1つひとつの特性と特徴を理解し,患者の要望をふまえて適材適所に用いる必要がある. そこで,本稿では現在上市されている多種多様なジルコニア材料を3つに大別し(図A),それぞれの材料をどのように使い分けるべきかを,チェアサイドにおける臨床上の注意点とともに症例をとおして解説してみたい.図A 現在上市されている各種のジルコニア.筆者は,日本においてこれらが臨床応用された順に,第一~第三世代として大まかに3つに分類した.写真はそれらのもつ色や透光性の特性を比較したモノリシッククラウンのサンプル.第一世代ジルコニア第二世代ジルコニア第三世代ジルコニア大谷一紀東京都開業 大谷歯科クリニックはじめに近年,その用途が拡大する ジルコニアセラミックス.その選択の 前におさらいを!クラウン・ブリッジで各種ジルコニア材料をどう使い分ける?―自然感が高い歯冠色修復を行うための要点―補綴歯科2020年9月号掲載

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