社会|2024年4月25日掲載

歯科衛生士の専門性や教育、今後の方向性などについて活発に意見交換がなされる

DHサミット開催

DHサミット開催

 さる4月21日(日)、ヒューフレディ・ジャパン合同会社(東京都)において、DHサミット(小林明子代表)が開催され、歯科医師・歯科衛生士約20名が参加した。昨今、国民皆歯科健診の導入が検討されるなど、歯科衛生士の需要はますます高まっている一方で、現場ではさまざまな課題や問題が挙げられる。そこで今回、意見交換・討論の場として本会が企画された。

 当日は、熊谷靖司氏(東京都開業)、塩浦有紀氏(歯科衛生士、熊谷歯科医院)が座長を務め、さまざまなトピックについて議論が交わされた。まずは、日本歯科衛生士会の組織率の低さについて問題提起された。長年入会している者、最近入会した者など、それぞれの立場から入会を決めた理由などが語られたうえで、今後に向けた解決策として、入会を続けている人にヒアリングをしてヒントを探る、会報だけでなくオンライン・SNSでの情報発信を積極的に行う、入会したいと思ってもらうためのきっかけを増やすなどが挙げられた。

 次に、現在日本歯科衛生学会で検討が進められている専門歯科衛生士制度について、現時点で決定された内容が共有された。そのうえで、今後の課題として、指導者の育成だけでなく、その前提として、臨床研究が行えるような歯科医院のシステムづくり、歯科衛生士学校における教育、歯科衛生士自身のスキルアップなどが挙げられた。なお、専門歯科衛生士制度については、きたる9月21日(土)から23日(月)の3日間、朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター(新潟県)で開催される日本歯科衛生学会第19回学術大会の専門領域別・研修集会で取り上げられる予定。

 最後に、国民皆歯科健診については、これに対応するための歯科衛生士の人数を確保するためには、潜在歯科衛生士の掘り起こしや、就業歯科衛生士の離職予防が不可欠であるということが再確認された。

 今回、勉強会や職種の垣根を越えて忌憚のない意見が交わされたことで非常に有意義な機会となった。解決すべき課題や問題は山積しているが、今後の動向に注目したい。

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