キーワード解説：

　議事録や報告書など、通常の商業出版あるいは学術出版の流通ルートに乗らない出版物や学術文献のことで、公表はされていても入手困難、あるいはアクセシビリティが比較的悪いことが多い。1978年、イギリス・ヨークで開かれた灰色文献に関するセミナーにおいて、初めてその定義が国際的に定まったとされる。その後変遷を経て、2010年、チェコ・プラハで行われた第12回灰色文献国際会議（GL12）では、「灰色文献とは、政府、学術、ビジネス、産業のあらゆるレベルにおいて印刷物および電子形式で作成され、知的財産権により保護されており、図書館や機関リポジトリによって収集および所蔵・保存されるのに十分な質を備えているが、商業出版社によって管理されていないもの、すなわち出版が主たる活動ではない機関によって作成された多種多様な文書」と定義されている。