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歯槽骨延長術

【読み】:しそうこつえんちょうじゅつ
【英語】:alveolar distraction osteogenesis
【書籍】: これまでの骨造成、これからの骨造成
【ページ】:66

キーワード解説:

 四肢延長に用いられる仮骨延長術を応用した歯槽堤造成術の一手法。自家骨移植はnon-vascularized bone graftとvascularized bone graftに分けられ、前者は血行がないため感染に弱く、骨吸収も起こるが、後者は血行が維持されるため感染に抵抗性があり、骨吸収がない。インプラント治療においては自家骨移植と骨再生誘導法(GBR)がnon-vascularizedで、vascularizedと比較すると、移植骨の吸収があることからオーバーグラフティングが必要である。これに対して歯槽骨延長術はvascularizedで、自家骨移植とGBRよりも骨造成の予知性が高いと考えられる。また、骨採取の必要がないこと、骨造成量に限界がないこと、軟組織も同時に延長できることが利点である。
 歯槽骨延長術の成功のためには、移動骨片は骨膜血行によるvascularized bone flapでなければならず、移動骨片の高径は8mm以上、近遠心径は4歯欠損以上が適応と考えられる。1~4歯欠損では自家骨移植あるいはGBRのほうが術式も簡単で、かつ予知性が高いと考えられる。