Quint Dental Gate 歯科のコミュニケーションサイト

文字サイズ
標準
特大

トピックス


2017年2月11日

公益社団法人 日本口腔インプラント学会 第36回 関東・甲信越支部学術大会開催

「インプラント治療の最先端を語ろう」をテーマに

ログインされますと、関連書籍が表示されます。
会員でない方はこちら
(※関連書籍がないトピックスは表示されません)

 さる2月11日(土)、12日(日)の両日、京王プラザホテル(東京都)において、公益社団法人 日本口腔インプラント学会 第36回 関東・甲信越支部学術大会(樋口大輔実行委員長、尾関雅彦大会長)が、「インプラント治療の最先端を語ろう」をテーマとして開催された。

 11日は、尾関雅彦大会長(昭和大教授)の挨拶ののち、シンポジウム1「上顎無歯顎即時補綴の展望―All-on-4 VS 暫間インプラント」が行われた。まず、下尾嘉昭氏(東京都開業)が登壇。最後方インプラントを傾斜させて4本のインプラントを埋入し、即時荷重を行う方法がAll-on-4であるとした間違った認識が術式の失敗につながるとして、正しいコンセプトに基づくAll-on-4の診査・診断、術式について解説。尾関氏は2回法インプラント埋入に際して、暫間インプラントを用いた即時補綴を行うことで患者のQOLを回復すると同時に、良好な骨結合を得ることができるとして、組織学的観点から術式の優位性を語った。

 シンポジウム2「最新の耳鼻咽喉科診療からみたインプラント治療」では、比野平恭之氏(医師・神尾記念病院耳鼻咽喉科)が上顎洞の解剖について解説した後、インプラントトラブルによる副鼻腔疾患に対して行った内視鏡を用いた経鼻的副鼻腔手術(ESS)を動画で紹介した。又賀 泉氏(日歯大教授)は上顎洞底挙上術を行う際の、アプローチと用いる補填材料について解説。ディスカッションでは、CBCTによる診査において、どのような所見がうかがわれたときに耳鼻咽喉科に照会すればよいのかなど実践的な内容が語られ、大いに盛り上がった。

 専門医教育講座では「骨代謝回転抑制剤投与患者に対する対応」と題して、別所和久氏(京大)が講演を行った。近年では、顎骨壊死を来す可能性を増加させる薬剤としてBP製剤が報告されているが、同じ骨代謝回転抑制剤である抗RANKL抗体や血管新生阻害薬も報告されているとして、それら薬剤について解説を行った。

 12日は、林 揚春氏(東京都開業)と石川知弘氏(静岡県開業)によるシンポジウム3「上顎前歯部審美補綴における移植材の是非―非移植VS骨移植」、土屋雅一氏(株式会社クレストデンタルアート)と水木信之氏(神奈川県開業)によるシンポジウム3「デジタルデンティストリーの現状と問題点」が行われた。

 また、特別講演では「自分自身の若返り」と題して、高須克弥氏(医師・高須クリニック)が講演を行った。

 その他、市民公開講座、口頭発表、ポスター発表、施設セッション、専門医教育講座、専門歯科衛生士教育講座、体験セミナー、専門歯科技工士教育講座などの多彩なプログラムが行われた大会は、約1,300名の参加者を集め、成功裡に終えた。