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2017年3月12日

5-D Japan 第8回総会開催

歯科医師、歯科衛生士の両者の目線から包括的治療が立体的に語られた充実の講演が展開

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 さる3月12日(日)、ザ・グランドホール品川(東京都)において、5-D Japan 第8回総会が320名以上の聴講者を参集し、盛大に開催された。

 午前の部では、会員症例発表が行われた。最初に登壇した竹内公生氏(静岡県開業)が「歯周組織再生療法を成功に導くための戦略」と題した講演を展開。治療を成功に必要な要素を術前(全身的、習慣的、局所的要素など)、術中(血餅の安定、フラップデザイン、術野の確保など)、術後(ケアのタイムスケジュールなど)に分け、解説を行った。また、つねに基本治療と、歯の保存をあきらめないことの重要性を強調しつつ、症例を供覧した。

 続いて登壇した中川雅裕氏(東京都開業)は、「5-D Japanに加入して…自分の臨床の何が変わったのか?」と題した講演を展開。即時荷重症例、硬・軟組織造成症例、前歯部審美領域の複数歯欠損症例など、数々のインプラント症例を難易度別に分けながら、丁寧に解説した。そのうえで、治療の過程で安定した歯周組織を作ることの重要性、またインプラント治療は目的ではなく手段でしかない、といったメッセージを述べた。

 午後の部では、症例検討会「審美修復治療における包括的アプローチ~Drの目線、Dhの目線」が行われた。最初に登壇した土屋賢司氏(東京都開業)は、歯科治療の長期的成功を獲得するための重要ポイントとして、力のコントロールに言及。顎関節、歯周組織、歯牙あるいは修復物の咬耗あるいは破折・破損、といった問題と咬合とのかかわりを丁寧に解説するとともに、歯科衛生士がメインテナンスにおいて咬合あるいは力のコントロールを診ていくことの重要性を説いた。

 次に、土屋和子氏((株)スマイルケア代表)は、歯科衛生士が具備しておくべき知識について幅広い解説を展開。メインテナンスの指導法、器具の選び方から硬・軟組織をどう診るべきかまで、詳説した。そのうえで、歯科衛生士には、患者さんの生活背景や全身を診る知識、患者さんを行動変容に導く技術、人を癒す知識と技術などが求められると述べた。

 最後に登壇した南 昌宏氏(大阪府開業)と、氏の医院で日々メインテナンスを行っている貴島佐和子氏(大阪府勤務、歯科衛生士)が登壇。一つの症例に関して、歯科医師、歯科衛生士の立場からどのようにアプローチしたか、交互に解説を加えながら講演を展開した。良好な結果を求めて歯科医師が治療に専念している一方で、歯科衛生士はコミュニケーションをうまく図りながら患者さんが治療内容、ひいては医院を信頼するよう、どう導いていったかなど、各種症例を回顧しながら具体的な解説を行った。

 会場は多くの歯科医師・歯科衛生士で終日満席となったほか、午前中には別会場にて歯科衛生士セッションが行われ盛況を博すなど、歯科医師と歯科衛生士の質の高いコラボレーションに注力している5-D Japanの真摯な姿勢がうかがえる一日となった。