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2017年4月16日

Shurenkai学術講演会2017開催

「First molar Reconstruction~続・第一大臼歯を極める」をテーマに

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 さる4月16日(日)、今池ガスホール(愛知県)において、Shurenkai学術講演会2017(林 裕久実行委員長、中村健太郎主宰)が「First molar Reconstruction~続・第一大臼歯を極める」をテーマに開催され、エンドの観点から牛窪敏博氏(大阪府開業)、ペリオの観点から大月基弘氏(大阪府開業)、補綴の観点から中村氏(補綴臨床総合研究所所長)の3氏がそれぞれ講演。歯科医師、歯科技工士、歯科衛生士ら約160名が参加し盛会となった。
 
 まず午前は、牛窪氏と大月氏があいついで登壇。まず牛窪氏は、「エンドから診た第一大臼歯のクラック・破折の診断と治療および予防を再考する」と題し、アピカルクラックに対する注意や、最近のシングルファイルシステムおよび歯内療法用モーターがもつ機械的な優位性などについて紹介した。また大月氏は、「歯周病学から第一大臼歯における咬合性外傷と歯周再建的療法の意義を再考する」と題し、あくまでも歯周病はバイオフィルム感染症であるという事実をベースに、咬合性外傷だけでは歯周疾患は生じないこと、生体の適応の範囲での歯の移動(increased tooth mobility)を恐れないこと、また第一大臼歯のヘミセクション・トライセクション後の注意点などについて述べた。

 午後の前半は、中村氏が「補綴学的による第一大臼歯の歯根破折と咬合性外傷の原因とその予防を再考する」と題して登壇。50歳で約3割が下顎第一大臼歯を喪失することを述べたうえで、その原因のひとつとして主機能部位の変化を試適。食物を所定の主機能部位で破砕できない場合、力が不自然に加わって歯根に影響するとした。また、歯にかかる力を減らすためには咀嚼効率の向上による咀嚼回数の低減が必要であるとし、その背景、とくに咬合面形態について症例を交えて詳説した。

 そして午後の後半は、今回の目玉企画である「第一大臼歯を診断せよ! エンド・ペリオ・補綴スペシャリストによるバトル カンファレンス」と題したライブカンファレンスが行われた。これは、今回の演者3氏に対して事前に内容を知らせることなく、Shurenkaiメンバーが用意した第一大臼歯にまつわる症例をその場で提示し、3氏がそれぞれの専門分野に立脚した考察を加えるもの。会場では2時間にわたって合計6症例が俎上に載せられ、スペシャリストならではの意見が飛び交った。また、会場からも次々に質問が挙がる活況となっていた。