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2017年11月12日

第2回日本子ども虐待防止歯科研究会学術大会開催

川崎市を中心に、神奈川県の取り組みを学ぶ会に

 さる11月12日(日)、神奈川県歯科医師会館(神奈川県)において、第2回日本子ども虐待防止歯科研究会学術大会(渡部 茂会長、鈴木駿介大会長)が開催された。今年のテーマには「虐待を受ける子どもたちにどう気付き、守るのか~かかりつけ歯科医・学校歯科医ができること、すべきこと」が掲げられ、全国から約100名の歯科医師らが参集した。

 まず、基調講演「子ども虐待の発生予防等に関する厚生労働省の取り組み」として百瀬 秀氏(厚生労働省子ども家庭局家庭福祉課児童虐待防止対策推進室室長)と中島千里氏(厚生労働省子ども家庭局母子保健課生殖補助医療係係長)が登壇した。百瀬氏は、児童虐待の背景として、地域の人間関係の希薄化、母親の孤立化、男性の育児参加の問題などによって引き起こされている「養育力の低下」があり、特に家庭内暴力や夫婦喧嘩からくる心理的虐待が増加していることを指摘。本年6月の児童福祉法および児童虐待防止法の改正において、歯科医師・保健師・助産師・看護師が例示に追加され、児童虐待防止対策に重要な役割を担っている職種として歯科医師も位置づけられたことにも触れ、医療機関が児童虐待を見つけた場合、対応のゴールは子どもを家庭に戻すことである点を考えると、医療機関内で抱え込まずに市区町村に必ずつないでほしいと訴えた。続いて中島氏は、母子保健の関係機関による切れ目のない支援のために市区町村へ設置の努力義務が法定化された「子育て世代包括支援センター」や、産前・産後サポート事業、健やか親子21の概要などについて解説した。

 次に、教育講演として浜田尚樹氏(神奈川県県民局次世代育成部子ども家庭課課長)が、児童相談所の立場から講演。歯科で気づける範囲の児童虐待のある親子や家庭の特徴などを、わかりやすく紹介した。最後に、児童虐待の可能性を感じたらその子どもや親の話をじっくり聞くこと、親子の抱える悩みに対して専門家を紹介すること、気になることがあったら市区町村や児童相談所に通告や相談をすることの3点を歯科医師へのお願いとして挙げた。

 最後に、シンポジウム「神奈川県川崎市の子ども虐待防止への官民一体の取り組み」が、鈴木信治氏(神奈川県歯科医師会理事)の座長のもと行われ、こども未来局、民間児童養護施設、歯科医師会から川崎市における児童虐待防止への取り組みが報告された。今回は、全国でも行政との連携が取れ、児童虐待防止に歯科がかかわれている川崎市に焦点が挙げられたが、討論では、さらに横浜市、相模原市、厚木市の担当課からも各市の取り組みについて報告があった。

 次回は、きたる2018年11月11日(日)、広島県歯科医師会館(広島県)において荒川真介大会長のもと開催予定。