Quint Dental Gate 歯科のコミュニケーションサイト

文字サイズ
標準
特大

トピックス


2018年7月15日

歯科再生医療研究会、講演会を開催

「FGF-2が切り拓く歯科再生医療の可能性を探る」をテーマに

 さる7月15日(日)、ナレッジキャピタルコングレコンベンションセンター(大阪府)にて、歯科再生医療研究会・科研製薬(株)共催による講演会「FGF-2が切り拓く歯科再生医療の可能性を探る」が開催され、450名の参加者が詰めかけた。

 最初に、村上伸也氏(阪大歯学研究科歯周病分子病態学)は「歯周組織再生剤リグロスの薬理作用と使用法」と題して講演。村上氏は、サイトカインであるFGF-2製剤「リグロス」の概要を示した。また、2002年から2014年まで行われた治験では、およそ術後36週までに50%の新生骨増加率が得られ、その効果は72週以後も維持されること、その11年経過症例でも骨量を保っていることなどを示した。

 つぎに、北村正博氏(阪大歯学研究科歯周病分子病態学)は「リグロスの臨床における基本的な使用法と治療効果」と題して講演。リグロスを用いたフラップオペの要点を、切開、剥離、肉芽除去・SRP、肉芽除去後、縫合、歯肉包帯、投与後の術後管理、に分けてポイントを解説した。とくにパピーラプリザベーションテクニックを用いること、骨欠損直上部に切開線を設定しないこと、骨鋭匙を用いて出血がなくなるまで肉芽を除去すること、マットレス縫合で寄せたあと単純縫合することが望ましいが難しい場合はマットレス縫合変法を用いること、などについて述べた。

 瀧野裕行氏(京都府開業)は「審美領域におけるリグロスの有効性を考える」と題して講演。適応外の使用を推奨するものではないとしたうえで、結合組織移植を用いた根面被覆術・歯間乳頭増生、インプラントの歯肉退縮部への歯肉弁側方移動術と結合組織移植術の併用法に、軟組織の創面の封鎖を期待してリグロスを用いた症例を示した。いずれの場合も通常では難しい症例であっても、リグロスの効果で軟組織の増大・治癒に至ったと報告した。

 浦野 智氏(大阪府開業)は「リグロスを用いた再生療法の可能性を探る」と題して講演。リグロス単体、リグロスとBio-ossを併用、リグロスとBio-ossとBioGideメンブレンを併用、PAOOにリグロスを用いた例などを示した。いずれも抜糸に至るまでの日数が早くなり、通常ではリセッションするような症例でも、歯肉辺縁が退縮しないで維持されることがみられると述べた。

 最後に、高山真一氏(滋賀県開業)は「リグロスの効果を最大限に引き出すために」と題して講演。下顎大臼歯の根分岐部病変、遠心骨欠損をともなう部位にリグロスを用いた症例などを示した。減張切開しないなら縫合したフラップにテンションがかからないように、マットレス縫合をしないほうがよいなどとの見解を示した。