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2018年11月2日

第63回(公社)日本口腔外科学会総会・学術大会が盛大に開催

「革新への挑戦 ~予防、制御、そして未来へ~」をテーマに

 さる11月2日(金)から4日(日)の3日間、幕張メッセ(千葉県)において、第63回公益社団法人日本口腔外科学会総会・学術大会(柴原孝彦大会長、古郷幹彦理事長)が、「革新への挑戦 ~予防、制御、そして未来へ~」をテーマに、特別講演2題、教育講演1題、招聘講演1題、海外招聘講演2題、国際シンポジウム2題、シンポジウム10題、指定ワークショップ7題、公募ワークショップ4題、ミニレクチャー41題、ビデオレクチャー16題、その他一般口演、ポスター発表など、多彩なプログラムにて開催された。以下に演者・演題とその概要を示す。

1)「日本骨粗鬆症学会・日本口腔外科学会合同シンポジウム 薬が繋ぐ医科歯科連携:骨吸収抑制薬の有効利用と MRONJ / BRONJ」
 まず日本骨粗鬆症学会を代表して理事長の宗圓 聰氏(近畿大教授)が、「骨粗鬆症の薬物療法に関する最新の知見」と題して講演。最新のデータを交えながら骨粗鬆症治療におけるビスホスホネート製剤とデノスマブの高い有効性や休薬によるリスクなどを解説し、健康寿命の延伸に不可欠な骨折予防のうえで今後も必須の薬剤であることを強調した。

 続いて「ARONJ ~歯科からの視点:特に予防的休薬の是非について~」の演題で北川善政氏(北大教授)が登壇。現状では本邦の臨床研究をみても予防的休薬を支持する結果は得られていないことをふまえ、本年よりなるべく休薬しない方針としたことを紹介。あわせて投与予定患者の事前の歯科受診を必須とするなど医科歯科連携の取り組みを提示し、投与前・投与中の連携を密に、患者が不利益を受けないようチーム医療体制を構築することの重要性を述べた。

 最後に梅田正博氏(長崎大教授)が「ARONJの治療と予防:多施設共同研究の結果から」と題して登壇。研究結果をふまえ、治療時の休薬は不要との見解を述べた。発症時は外科療法を標準とし、発症予防としては抜歯を避けるのではなく、感染源となりうる歯を早期に抜歯することが肝要と強調した。

2)「シンポジウム 歯科領域における顕微鏡手術」
 まず歯内療法分野から、木ノ本喜史氏(大阪府開業)が「難治性根尖性歯周炎に対するEndodontic Microsurgery」と題し、高い成功率を誇る本処置の術式を、動画を交えて供覧した。

 つぎに小川 将氏(群馬大助教)が「広範囲(3歯以上)に進展した歯根嚢胞に対する顕微鏡視下歯根端切除の応用」と題し、同大学口腔外科におけるマイクロスコープ使用の実際や治療成果を交えながら、広範囲にわたる歯根嚢胞の治療における有効性を述べた。

 続いて牧口貴哉氏(群馬大講師)が「遊離皮弁再建における鏡視鏡下吻合部血栓の予防戦略」と題し、治療成績に影響する再建術後の吻合部血栓予防における血管吻合の重要性を指摘し、高い成功率を上げる顕微鏡下血管吻合の実際を紹介した。

 最後に西山明宏氏(東歯大助教)が「口腔顎顔面における神経修復術の適応」と題し、医原性の下歯槽神経、舌神経の損傷に対して同大学神経修復外来における取り組みと手術症例を提示するとともに、神経損傷に対する早期対応の重要性を強調した。

3)「シンポジウム 歯科他領域に学ぶ」
 最初に座長の坂下英明氏(明海大教授)が登壇し、口腔外科の立場から、歯科界のさらなる進歩のために他領域と共に総力を挙げて未来像を共有したいとの夢想から企画した趣旨を解説。

 つぎに補綴領域より馬場一美氏(昭和大教授)が「デジタルワークフローを基盤とした最新インプラント補綴治療」と題して、最新のデジタル技術を紹介しながら、再現性が高く、時間短縮やコスト削減も期待されるデジタルデンティストリーの可能性について述べた。

 続いて接着領域から宮崎真至氏(日大教授)が「歯質接着技術を活かした歯冠修復の理論とその実際」と題して、歯冠形態の回復や色調の改善に寄与する最新のコンポジットレジン修復の実際を紹介した。

 最後にペリオ領域から村上伸也氏(阪大教授)が「新規歯周組織再生療法が変える再生歯科医療の未来」と題して、歯周組織欠損部の再生を誘導・促進する新しい歯周組織再生剤「リグロス®」の開発に至る経緯や高い有効性を提示し、さらに他剤との併用やインプラント治療への応用など、その将来展望について語った。

 過去最高を記録した昨年をさらに上回る4,800名以上が集い、参加者の熱意が伝わる3日間であった。次回大会は、きたる2019年10月25日(金)から27日(日)に札幌コンベンションセンター(北海道)において開催予定である。