2019年10月6日掲載

Tomas Linkevičius氏とMartijn Moolenaar氏を招聘

BioHorizons global education tour 2019 Tokyo開催

BioHorizons global education tour 2019 Tokyo開催
 さる10月6日(日)、富士ソフトアキバプラザ(東京都)において、BioHorizons global education tour 2019 Tokyoが、「インプラント治療に対する洞察:審美的に成功するためのパスポート」をテーマとして開催された。Tomas Linkevičius氏(リトアニア開業・ビルニュス大准教授)とMartijn Moolenaar氏(オランダ開業)を招いて行われた本会は、日本全国だけでなくアジア各国から約150名の歯科医師らが集い盛況となった。

 まず、Moolenaar氏が登壇し、「補綴主導によるインプラント:カギは軟組織にあり」と題して講演を行った。スマイル時の歯間乳頭をはじめとする軟組織が治療後にどこにあるべきかを顔貌、X線写真などから診断し、どのように治療計画を立てていくのかをさまざまな治療難度の症例供覧を通じて解説した。

 次いで、近年多くの論文と著書『Zero Bone Loss Concepts(Quintessence、日本語未翻訳)』で注目を集め、きたる2020年10月に横浜で行われるWorld Young Dental Innovators' Meeting 2020でも登壇が予定されているLinkevičius氏は、「ゼロ・ボーン・ロス・コンセプト―インプラント周囲骨の安定性を高め、維持する。エビデンスベースのクリニカルガイド」と題して講演。インプラント埋入後に通常起こるとされる初期の骨吸収(リモデリング)と予後の骨吸収をゼロとする氏の治療コンセプトの外科的・補綴的手法について詳説した。

 外科的手法では、インプラントのネック部の機械研磨面は骨結合が行われずに初期の骨吸収につながるとして、研磨面を骨縁上に設定することを推奨した。また、3~4mmの厚い軟組織が骨の維持につながるとして、薄い軟組織の場合の増生術についても解説した。補綴的手法では、さまざまな補綴材料を比較してジルコニアの生体適合の優位性を示し、ジルコニアによる補綴装置作製のポイントについて述べた。

 その他多くの臨床的知見を紹介するなかで「臨床と科学はつながっていないといけない」というメッセージを幾度も訴えたのが印象的であった。

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