2022年4月24日掲載

「トップランナーが語るCR修復の最新事情――審美 古いものから新しいものへ」をテーマに

九州大学歯学部同窓会、令和4年度春季学術講演会を開催

九州大学歯学部同窓会、令和4年度春季学術講演会を開催
 さる4月24日(日)、レソラNTT夢天神ホール(福岡県)において、令和4年度春季学術講演会(九州大学歯学部同窓会主催、久保秀郎会長)が「トップランナーが語るCR修復の最新事情――審美 古いものから新しいものへ」をテーマに開催され、泉 英之氏(滋賀県開業)、泥谷高博氏(福岡県開業)、高橋 登氏(東京都開業)らが登壇した。

 泉氏は「なぜ、CRの色が合わないのか? シェードマッチングの理論と臨床」と題して講演。前歯部のCR(コンポジットレジン)修復の色がなぜ合わないのか?の問いに、光源、歯、眼、脳、CRの5要素に分けて分析。シェードだけでなく、さらに明度と透過性のテイキングの必要性を挙げながら「修復歯の形態・表面性状が第二のシェードである」とまとめた。

 泥谷氏は「自然感のある前歯部CR修復 色合わせを中心に再考する」と題して講演。氏が提唱する、歯頚部・歯の中心部の色により判断する5パターンのシェードの組み合わせを用いてCR修復した症例を解説。また、近年話題のユニバーサルシェードCR「オムニクロマ」(トクヤマデンタル)を用いて修復した症例を披露。最後に、捻転している歯のCR修復症例の自然感を出すのが難しいことにふれ、前歯部CR修復の自然感を出すのに非常に重要な仕上げの形態修正・研磨を強調した。

 最後に高橋氏が「予知性の高いCR充填について」と題して講演。臼歯部のCR修復では、咬合面に厚いエナメル質を残存させること、残存咬頭歯質の幅を確保できることが予知性に大きくかかわっていると述べた。また、臼歯部の窩洞形成は、なめらかな曲線にすること、マージン部にベベルを付与せずバットジョイントにすることを推奨した。さらに前歯のCR修復では、臼歯部で咀嚼する際の前歯への干渉が、前歯の修復の予知性に関与していることを解説。最後にCR修復で自然感を得るための中切歯の基礎的な解剖を示し、ラインアングルの形状やコンタクトの唇舌的な位置などを解説した。

関連する特集