2022年9月14日掲載

『歯科医院のための感染対策マニュアル』をベースに、中村健太郎氏が講演

株式会社ジーシー、第3回GC-MELAG AcademyをWeb配信にて開催

株式会社ジーシー、第3回GC-MELAG AcademyをWeb配信にて開催
 さる9月14日(水)、第3回GC-MELAG Academy(株式会社ジーシー主催、中尾潔貴代表取締役社長)がWeb配信により開催され、220名の受講者が参加した。今回は、MELAG社公式インストラクターの中村健太郎氏(愛知県開業)、および公式トレーナーの伊藤磨樹氏(Shurenkai Dental Prosthodontics Institute、歯科衛生士)が招聘され、8月に発刊された『歯科医院のための感染対策マニュアル RKIガイドラインに基づいたルーティンワーク』(クインテッセンス出版刊)の内容をベースにセミナーが行われた。

 中村氏はまず、これまで日本の歯科医院では無菌化や滅菌、高水準消毒ばかり偏重した感染対策が行われてきたことを問題提起。そのうえで、医科基準、病院基準ではなく、歯科医院基準の感染対策を実践する必要があるとし、そのなかでも重要となるのが「汚染器材の再生処理」であると強調した。また、自身の著書でもベースとしているRKI(ロベルト・コッホ研究所)ガイドラインでは、第一に医療従事者の保護、次いで患者の保護が掲げられていることにふれたうえで、適切な感染対策を実践するために環境を整備することは、スタッフの安定した雇用や患者に対する安心安全のアピールにもつながると述べた。

 次に、汚染器材の再生処理を安全に行うための要件として、ステリライゼーションルームに求められる空間的要件について提示。国内外の歯科医院の写真を供覧しながら、その医院の来院患者数やユニット数、治療内容などによって、ステリライゼーションルームをどのように設計すべきかは異なること、もっとも危険な汚染区域では手指消毒などを行える環境が必要であることを紹介した。続いて、スタッフに求められる専門知識として、汚染器材のリスク分析について解説。血液との接触があったか、中空構造の器材かどうかによってその後行うべき工程が異なるため、この2点をふまえて正確に分類することが重要であると主張した。

 このほか、伊藤氏によるデモンストレーションも行われ、汚染器材の分類のしかたや、超音波洗浄器のモニタリング、スチームステリライザーの物理的モニタリングなどについて現場でよく挙げられる疑問点をふまえて正しい方法や注意点が実際に示された。

 講演後の質疑応答では、時間を超過するほど参加者から多数の質問が寄せられ、本テーマへの関心の高さがうかがえた。

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