2022年10月20日掲載

松村香織氏が「一般歯科診療所でも大丈夫! 病気をもった高齢者の観血的歯科治療への対応」をテーマにWeb講演

クインテッセンス出版株式会社、第31回WEBINARを開催

クインテッセンス出版株式会社、第31回WEBINARを開催
 さる10月20日(木)、松村香織氏(福岡県勤務)によるWEBINAR#31「一般歯科診療所でも大丈夫! 病気をもった高齢者の観血的歯科治療への対応」(クインテッセンス出版主催、北峯康充代表取締役社長)が開催された。本セミナーは、10月新刊『病気をもった高齢者が歯科に来院されたときに読む本 知っておきたい! 全身疾患と薬の基礎知識』の内容をベースに行われた。

 松村氏は冒頭、超高齢社会を迎えた日本において、歯科医療従事者でも医科疾患に関する知識の必要性について言及。「多疾患・多剤併用の患者さんが歯科医院に多数来院してくることが一般的になってきている。安心・安全な歯科医療を提供するためには、患者さんの全身状態や服薬について把握したうえで治療方針を検討する必要がある」と述べ、本講演の導入とした。

 次に、松村氏の勤務する急性期病院での初診患者における対応について紹介した。まず、歯科疾患に関する主訴や歯科治療歴を確認した後、全身疾患についての情報として、1)疾患の有無、2)治療歴、3)服用薬剤、4)かかりつけ病院名――以上の4点について収集することを挙げた。そしてバイタルサインのチェックをはじめとする一連の流れを解説するとともに、お薬手帳の情報を歯科診療に役立てる際の着眼点についても説明した。また、特によく見受けられる全身疾患として高血圧症と糖尿病を挙げ、それぞれの病態や症状を説明したうえで歯科診療時における注意点や具体的な対策方法についてもわかりやすく解説した。

 続いて、医科歯科連携を行うにあたって特に重要となる診療情報提供書・依頼書を作成する際のポイントについて言及。「歯科特有の表現は避け、歯科専門職以外に説明することを前提にかみ砕いて記載し、提供してもらいたい情報についても具体的に記載してほしい」と述べた。また治療方針については、「歯科側で立案した留意点を医科に意見を求めるスタンスで行うことや、安易な休薬は求めず服用の継続を前提に対応を考えること」など、アドバイスを送った。

 なお、骨吸収抑制薬として特にビスホスホネート(BP)製剤と抗RANKL抗体の作用機構や薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)ついてもふれるなど、書籍では扱われなかった内容も追加され、高齢者が歯科に来院した時に注意すべきポイントについて示唆に富んだ内容を披露した。

 講演後の質疑応答では、事前質問を含め実体験をふまえた質問や具体的な状況を想定した質問が多数寄せられ、病気をもった高齢者への対応に対して関心の高さがうかがえるとともに、松村氏によるていねいな解説で盛会となった。

 なお、次回のWEBINAR#32は、きたる11月2日(水)、徳倉 圭氏(愛知県開業)を招聘し、「予防矯正®収益化への医院進化! ~スタッフが活性化する医院発展へのマネジメントプロセス~」が開催予定である。申し込みはこちらから。

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