2023年2月4日掲載

「伝わる医療のカタチ―発信力アップのためにみんなでアイデアソン!―」をテーマに

横浜市、医療マンガ大賞総会を開催

横浜市、医療マンガ大賞総会を開催
 さる2月4日(土)、横浜市役所(神奈川県)において、医療マンガ大賞総会(横浜市主催、SNS医療のカタチ協力)が「伝わる医療のカタチ―発信力アップのためにみんなでアイデアソン!―」をテーマに開催された。「アイデアソン」とは、アイデアとマラソンをかけ合わせた、多様な参加者による新たなアイデアの創出を目的とした造語であるとのこと。

 横浜市では、市民に対し医療を他人事ではなく自分事と捉えてもらうため、民間企業と連携した医療視点プロジェクトに取り組んでいる。本プロジェクトの一環として、患者と医療従事者間での受け取り方や感じ方の異なる視点を描くマンガ作品賞、「医療マンガ大賞」を2019年より実施している。本会は、「医療マンガ大賞」のさらなる発展や認知度向上を目的に開催される運びとなった。

 本会は、山本健人氏(医師、SNS医療のカタチ)、かげ氏(看護師、イラストレーター)、こしのりょう氏(マンガ家)、永藤まな氏(ピアノタレント)の4名を中心に、それぞれ異なる立場から医療情報の発信を主なテーマとして、トークが展開された。

 第1部「総会/審査員や受賞者による振り返りトークセッション」では、冒頭、山本氏より一般市民に医療情報を伝えるにあたり、マンガは心理的ハードルが低く手に取りやすいため、医療に関心をもってもらうきっかけとして有効であることが述べられた。次に、かげ氏より自身が新人ナースや看護学生に役立つ情報を、書籍や雑誌の執筆活動、SNSを利用して発信している取り組みが紹介され、「マンガやイラストをうまく活用することで、心理的な障壁を下げられる」とマンガの活用が促された。続いて、こしの氏より「医療マンガ大賞」の選考をめぐる裏話が語られた。なかでも、「マンガのプロは作品としての完成度を選考基準にしているが、医療のプロは情報の正確性やテーマを基準に選考しているため、視点の違いから議論が白熱した」と選考時のエピソードが述べられた。

 第2部「“医療広報”発信力アップのためにみんなでアイデアソン!」では、「医療マンガ大賞」の認知度アップや医療情報発信へのアイデアが各出演者から挙げられた。なかでも、永藤氏よりマンガに音楽をつけ没入感やドラマ性をもたせるといった、聴覚情報を追加する案が述べられた。そこで、実際に投稿されたマンガに出演者が声をあて、永藤氏がピアノ伴奏によりBGMをつける即興劇が披露された。

 最後は、山本氏より「本プロジェクトが多くの市民の方に興味をもっていただけますと幸いです」との言葉とともに、次回(第5回)「医療マンガ大賞」の開催に期待を寄せた。

 なお、本会は映像収録されており、きたる2023年3月に横浜市公式YouTubeアカウントにて動画が配信予定とのこと。

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