2023年3月12日掲載

「5-D Japan Next generation~次世代への継承I~」をテーマに

5-D Japan、第12回総会をハイブリッド形式で開催

5-D Japan、第12回総会をハイブリッド形式で開催
 さる3月12日(日)、5-D Japan第12回総会(ファウンダー:石川知弘氏、北島 一氏、福西一浩氏、船登彰芳氏、南 昌宏氏)が「5-D Japan Next generation~次世代への継承I~」をテーマにAP新橋(東京都)およびWeb配信のハイブリッド形式で開催され、約250名が参集・視聴した。

 今回は、8名の会員が症例発表を行った。以下に演題、演者を示す。

「前歯部欠損において固定性補綴にて回復を試みた一症例」椛沢岳芳氏(神奈川県開業)
「上顎前歯部に歯内・歯周病変を有する歯へのアプローチ」石倉千尋氏(石川県勤務)
「オールラウンド歯科治療を目指して」大杉和輝氏(三重県開業)
「Socket Shield Techniqueを論文から考察する」松本圭史氏(東京都開業)
「自院のインプラント治療を検証し、今行っている事」神津 聡氏(東京都開業)
「歯内治療で患者を治癒に導くために必要な診査・診断と治療の正確性」石川 亮氏(兵庫県開業)
「歯根膜を応用したインプラント治療」藍 浩之氏(愛知県開業)
「無歯顎患者の治療精度をあげるために」吉松繁人氏(福岡県開業)

 松本氏が演題にも挙げたSocket Shield Techniqueは、抜歯即時インプラント埋入の際に、歯根の一部を残してインプラント埋入を行い、周囲組織の温存を図るテクニックである。氏は、残した歯根の長さや厚み、位置などについて科学的根拠を交えながら、自身が行ったケースを紹介した。それらのケースはまだ経過が短いが、症例を選べば良好な結果が期待できるとし、今後の経過をしっかり追っていきたいと述べた。

 また、無歯顎の患者は歯や顎堤を喪失しているだけでなく、それにともなって個々の変化が起きているため、画一的に補綴装置の製作を行うことは難しいといわれている。今回吉松氏は、インプラントオーバーデンチャー(IOD)で失敗した症例や骨格性Ⅱ級やⅢ級の患者に対してIODを製作した症例などを提示し、模型診断や画像診断をどのように活用すれば、患者に適した無歯顎補綴を作れるかという製作法について解説した。

 継承というテーマのように、次世代を担う演者たちが5-D Japanで培ってきたものを存分に発揮した会となった。

関連する特集