2023年3月16日掲載

地域包括ケアシステムの拡充に向け、多職種連携の推進へ意見交換がなされる

日歯、第199回臨時代議員会を開催

日歯、第199回臨時代議員会を開催
 さる3月16日(木)、17日(金)の両日、歯科医師会館において、日本歯科医師会(以下、日歯、堀 憲郎会長)による第199回臨時代議員会が開催された。

 冒頭、柳川忠廣副会長による開会の辞が述べられた後、物故会員に対する黙祷が捧げられた。

 堀会長による挨拶では(1)電子レセプト請求対応の日歯会員向けレセコンASPサービス「レセック」の終了、(2)日歯福祉共済保険制度、(3)新型コロナウイルスの類型見直し、(4)医療DXの推進(オンライン資格確認の原則義務化)、(5)国民皆歯科健診制度――以上の5点について言及。なかでもきたる5月より施行予定の新型コロナウイルスの類型2類相当から5類への引き下げ後の歯科医療提供の方向性について、「歯科においては現行のレベルの高い感染防止策を緩めることは難しく、その後も高いレベルの感染防止策が引き続き求められる」との認識を示した。

 続いて、来賓挨拶が行われ、島村 大氏、比嘉奈津美氏(ともに参議院議員)、高橋英登氏(日本歯科医師連盟会長)、住友雅人氏(日本歯科医学会会長)、川本 強氏(日本学校歯科医会会長)より歯科界の諸問題や環境整備の改革・抱負などの言葉が会員へ送られた。

 引き続き、資料をもとに各担当者より一般会務・予算決算特別委員会報告などが行われた。決議事項では、第1号議案「令和5年度事業計画の件」、第2号議案「役員報酬等の総額及び役職別の報酬等の改定について」、第3号議案「令和5年度入会金及び会費の額の件」、第4号議案「令和5年度収支予算の件」、第5号議案「令和5年度資金調達及び設備投資の見込みの件」の全5議案が上程され、すべての議案が承認された。

 その後は2日間にわたり、地区代表・個人事前質問に対する答弁が行われた。多数の事前質問や関連質問および要望が寄せられ、なかでも地域包括ケアシステムの重要性の高まりや、医科歯科連携をはじめ職種の枠組みを超えた多職種連携の検討に注目が集まった。

 特に歯科衛生士の復職支援や業務範囲の拡大、歯科技工士のなり手不足といった問題が挙げられ、「歯科衛生士会、歯科技工士会の管轄問題と捉えるのではなく、歯科界の課題として歯科医師会とともに解決に取り組んでいくべきではないか」との意見が述べられた。また、歯科医師会の組織率低下に対し、歯科医師会会員であることが国民の信頼となるような変革やさまざまな物価高騰・求められる従業員への賃上げ要求への具体的な対策の必要性が提起され、臨床現場の課題に対し議論が交わされた。

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