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2023年4月23日掲載

「ライフステージを考慮した歯周治療~若年期~」をテーマに

日本臨床歯周病学会関東支部、第93回教育研修会・第39回歯科衛生士セミナー合同研修会を開催

日本臨床歯周病学会関東支部、第93回教育研修会・第39回歯科衛生士セミナー合同研修会を開催
 さる4月23日(日)、浅草橋ヒューリックホール&カンファレンス(東京都)およびWeb配信において、日本臨床歯周病学会関東支部第93回教育研修会・第39回歯科衛生士セミナー合同研修会(神山剛史支部長)が「ライフステージを考慮した歯周治療~若年期~」をテーマにして開催された。

 今期の関東支部では、新支部長となった神山剛史氏(埼玉県開業)の下、歯周治療を、1)若年期、2)中年期、3)高齢期、4)老年期・フレイル期に分けて、2年間にわたり各年代へのアプローチを掘り下げていくものとなっており、今回がその第1回目となる。今回は、会員発表4題と特別講演、また今期から新設された文献委員会による講演が行われた。会員発表の演題・演者を以下に提示する。

「患者のライフステージや生活背景を考慮した限局型歯周炎の一症例」橋本奈美氏(歯科衛生士、メイ・ロイヤル歯科医院)
「再生療法後に矯正歯科治療を行った一症例」楠 侑香子氏(医歯大)
「患者の生活背景からアプローチした広汎型侵襲性歯周炎の一例」高野 真氏(東京都開業)、奥平美香氏(歯科衛生士、高野歯科クリニック)
「臼歯部咬合崩壊症例に対して、患者年齢と個体差を考慮し対応した1症例」安藤正明氏(千葉県開業)、渡邉真由美氏(歯科衛生士、安藤デンタルクリニック)

 次に文献委員会の委員である、工藤 求氏(東京都開業)、星 嵩氏(新潟県開業)、前川祥吾氏(医歯大)によって、「若年層のライフステージにおける歯周治療の文献レビュー」と題した講演が行われた。侵襲性歯周炎(グレードC)に対する抗菌療法や歯周組織再生療法、インプラント治療、歯周矯正治療について、文献の解説に加えて臨床指針の考察を述べた。

 最後に特別講演として、日本臨床歯周病学会関西支部から宮本泰和氏(京都府開業)を招聘し、「ライフステージを考慮した歯周治療〜若年期~」の演題で講演が行われた。氏は本研修会のテーマである「若年期」に焦点を当て、1)歯周病患者のなかの若年者の割合、2)若年者における歯周病の特徴、3)治療法の選択;非外科or外科、4)歯周組織再生療法の適応症、5)若年者へのインプラント治療、の5つの項目について、20年以上の長期症例を複数提示して解説した。氏はまとめとして、若年者は病状の進行は早いが歯周組織再生療法を行った際の再生能力も旺盛であるため、骨吸収をともなう病変には第一選択となること、また歯周組織再生療法を行った患者はメインテナンスに対する意識が高まり、その後の定期健診に来ていただける確率が上昇すると実感していると話した。

 本会は今期から文献委員会を新設し、今後さらにEBD(evidence based dentistry)を重要視していく姿勢をうかがい知ることができた。次回は、きたる8月20日(日)に水上哲也氏(福岡県開業)を招聘し、一橋講堂(東京都)で開催される予定である。 

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