2023年5月25日掲載

2024年のトリプル改定に向け、必要財源の確保を国に要請

日歯、定例会見を開催

日歯、定例会見を開催
 さる5月25日(木)、歯科医師会館において、日本歯科医師会(以下、日歯、堀 憲郎会長)による定例記者会見が開催された。

 冒頭、堀会長は挨拶のなかで、新型コロナウイルス感染症の感染症分類5類への引き下げにともない、5月8日付けで対策本部を解散したことを報告した。なお、歯科医院は今後も変わらず高いレベルの感染対策が求められることを強調し、国に対しては引き続き支援を要望したことが述べられた。また、診療報酬、介護報酬、障害福祉サービス等報酬の同時改定(トリプル改定)が来年に控えていることをうけ、5月10日に行われた日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会(三師会)合同記者会見の概要について資料をもとに説明。昨今の物価上昇や人件費の高騰をうけ、歯科医療機関は厳しい状況に置かれていることに理解を求め、骨太の方針に物価高騰・賃上げへの対応の明記と必要財源の確保を強く求めたことが報告された。

 次に、柳川忠廣副会長より、死因究明等推進計画の推進状況について資料をもとに説明がなされた。なかでも全都道府県での協議会の設置が完了したことや、2011年には歯科法医学に関する講座を設置している歯科大学は29の大学中6大学であったが、2021年には18大学まで増加し、整備が進んでいることが報告された。

 続いて、尾松素樹常務理事より、4月に行われた第31回日本医学会総会2023東京の総括がなされた。歯科医師の登録者数は約500名のなか歯科系セッションが盛況にて終了したことがアピールされた。オンデマンド配信は5月15日より開始されており、7月31日まで視聴可能。

 引き続き、小玉 剛常務理事より、コロナ禍における介護老人保健施設入居者に対する口腔健康管理の状況報告、山本秀樹常務理事より日歯が制作した歯科口腔保健スクリーニングアプリ「健口チェック」が5月25日より公開予定であることが述べられた。

 また、林 正純常務理事より、2022年薬価調査のなかで歯科用薬剤の乖離率は-4.3%のマイナス乖離を記録し、特に歯科用局所麻酔剤は-10.5%と深刻な乖離が生じている(テクニカル指標より算出した価格より安価で取引されている)ことが資料をもとに説明された。小規模の個人立歯科診療所が多くを占めていることから、歯科用薬剤が適正な薬価で安定供給されるよう厚生労働省医政局に対し、同日付で要望書を提出したことが報告された。

 最後に、小山茂幸常務理事より、きたる7月8日に室町三井ホール(東京都)およびWeb配信のハイブリッド形式にて、第28回口腔保健シンポジウムが「今すぐできる100年healthの健康寿命対策 ~歯周病から考える全身の健康~」をテーマに開催予定であることがアナウンスされた。

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