2023年8月30日掲載

岩野義弘氏、佐藤浩史氏が「歯周基本治療とP重防、SPT~臨床の実際とその保険請求~」のテーマでWeb講演

クインテッセンス出版株式会社、第40回WEBINARを開催

クインテッセンス出版株式会社、第40回WEBINARを開催
 さる8月30日(水)、岩野義弘氏、佐藤浩史氏(ともに東京都開業)によるWEBINAR #40「歯周基本治療とP重防、SPT~臨床の実際とその保険請求~」(クインテッセンス出版主催、北峯康充代表取締役社長)が開催された。

 本セミナーは、「ザ・クインテッセンス」で「切らないペリオ、切るペリオ」を連載中の岩野氏が歯周基本治療を供覧した後、佐藤氏が岩野氏の処置に対して、保険算定上のポイントを解説した。算定ルールをわかりやすく解説した『歯科保険請求2023』もふまえながら、多くの先生方が感じている歯周治療における保険算定の疑問や、算定漏れが解消されるような内容となっている。

 冒頭、岩野氏は歯周病の要因として1)細菌因子、2)宿主因子、3)咬合因子、4)環境因子――の4つを挙げ、診断からメインテナンスに移行するまでの歯周治療の標準的な流れを説いた。その後は、広汎型慢性歯周炎ステージⅣグレードCと診断した症例を示し、論文を交えながら、歯周外科治療を前提とした治療を行ううえでプラークコントロールレコード(PCR)は10%以下を目指すべきであることや、歯周治療後の疾患の進行リスクに応じたメインテナンス間隔について解説した。

 次に、歯周病重症化予防治療(P重防)を行った症例や有病者に対して歯周病安定期治療(SPT)を行った治療を供覧。染め出しによってセルフケアの状態を患者さんと共有し、ブラッシングのみでも歯肉の炎症が改善されることを体感してもらうことがセルフケアのモチベーションアップにつながることを強調した。また、ブラッシング指導前後のプロービングチャートを示しながら、十分にPCRを改善させてからメインテナンスに移行するまでの過程を詳説した。

 続いて、佐藤氏が歯科疾患管理料(歯管)の算定について説明した。以前は、初診料算定月から2か月以内の歯管の算定が必要だったが、令和2年度改定後は期限の規定が撤廃されたことにふれ、必要に応じて算定が可能となったことを解説した。また、歯周基本検査(P基検)や歯周精密検査(P精検)、混合歯列期歯周病検査(P混検)を算定するにあたり必要条件となる検査項目を示し、算定要件に則した検査を行うことを強調した。

 その後、佐藤氏は岩野氏が供覧した処置に対して、特に算定頻度の高い項目として機械的歯面清掃処置(歯清)、歯科衛生実地指導料1(実地指)、スケーリング(SC)などの算定要件も詳細に説明した。また、処置などを行っても要件を満たさず算定できない項目についても解説し、診療報酬点数表に定められたルールに沿った請求を行うことを求めた。

 なお、本Webセミナーの振り返り配信は、きたる2023年9月28日まで購入が可能である。申込みはこちらから。

関連する特集