2023年11月19日掲載

「歯科衛生士のバージョンアップ~認定歯科衛生士の資格を活かす~」をテーマに

(一社)日本歯科医学会連合、医療職連携委員会フォーラムを開催

(一社)日本歯科医学会連合、医療職連携委員会フォーラムを開催
 さる11月19日(日)、一般社団法人日本歯科医学会連合(住友雅人理事長、以下、学会連合)による医療職連携委員会フォーラムが「歯科衛生士のバージョンアップ~認定歯科衛生士の資格を活かす~」をテーマにWeb開催された。

 本フォーラムは、2022年より学会連合医療職連携委員会(山本松男委員長)を中心に、公益社団法人日本歯科衛生士会と一般社団法人日本歯科技工学会の広告可能な専門資格制度の確立を目指し、さらなる普及に向けた活動を支援するなかで、疾病構造が変化している現代社会のニーズに対応できる高い専門性を有する歯科衛生士や歯科技工士の育成と業務の質の向上を目的に企画されたもの。

 山本氏の開会の辞の後、住友氏による挨拶が行われた。住友氏は挨拶のなかで、医療広告ガイドラインに則った専門資格について言及。厚生労働省による広告表示に定める審査基準において、「歯科衛生士を主体に構成された法人格を有する団体の必要性」を強調し、「学会連合は、専門性の広告を含めて歯科衛生士の次の方向性に向けて継続的に支援していく」と今後の方針を示した。

 つぎに吉田直美副委員長の座長のもと、林 糸津香氏(歯科衛生士、和歌山県歯科衛生士会)、中山良子氏(歯科衛生士、岡山県歯科衛生士会)、石井里加子氏(歯科衛生士、オーラルヘルスサポート歯科すみだ)、荒木美穂氏(歯科衛生士、朝日大歯科衛生士専門学校) 、西村三美氏(歯科衛生士、東邦大医療センター大橋病院)、立浪康晴氏(富山県開業)による講演が行われた。

 林氏、中山氏、石井氏、荒木氏、西村氏は、自身の臨床でのエピソードを交えながらそれぞれ取得した専門資格の概要や取得経緯、メリットなどについて述べた。なかでも、「資格を取得したことで患者さんの心により寄り添えるようになった」、「医科歯科連携の架け橋として大きな自信となった」、「認定資格はあくまでもスタートであり、ゴールではない。卒後の継続した学習が重要である」といったメッセージが印象的であった。

 続いて立浪氏は、自身が前委員長を務めた日本歯科医学会(住友雅人会長)の新歯科医療提供検討委員会が、5月30日付けで提出した最終答申「これからの歯科医療提供体制の新機軸として期待される地域支援型多機能歯科診療所(医療機関)」に期待する機能について解説。そして、専門医による質の高い歯科治療提供を行うためには「専門性を有する認定歯科衛生士のサポートが必須」であることを強調し、認定歯科衛生士の育成の必要性を説いた。

 最後は、本フォーラムのまとめとして山本氏より「今回の演者の発表から自身がステップアップしたいテーマをみつける参考となれば幸いである」、吉田氏より「歯科衛生士が主体となって社会に認められる(標榜可能な)専門性を確立していかなくてならない」との総括がなされた。

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