2024年2月11日掲載

須貝昭弘氏、加治初彦氏が講演

九州歯科大学同窓会・関東地区連合会、令和5年度学術講演会を開催

九州歯科大学同窓会・関東地区連合会、令和5年度学術講演会を開催
 さる2月11日(日)、品川インターシティ(東京都)において、九州歯科大学同窓会主催・令和5年度関東地区連合会共催学術講演会(森 章同窓会会長、當房 満関東地区連合会会長)が「乳幼児から高齢者に至る患者に対峙したとき、その口腔内の変化に私たち歯科医はどうアプローチしていくべきか?―明日からの臨床をアップグレードするヒント―」をテーマに開催され、須貝昭弘氏(神奈川県開業)、加治初彦氏(東京都開業)の両氏による講演が行われた。

 まず須貝氏が、「時間軸でみるかかりつけ歯科医としての患者とのかかわり方」と題して講演した。歯科は、一人の患者と長く付き合えることが大きな特徴。う蝕予防や正しい口腔機能の獲得など子どもたちを健全な歯列に導くところから、その後も一定の歯科医療を提供し続け、最期まで自分の歯で食べられるようにすることが、かかりつけ歯科医としての役割ではないか、と結論づけた。

 加治氏は、「一般臨床の補完としての部分矯正(LOT)」の演題で登壇した。LOTとは、全顎矯正に対して限局的、部分的な矯正のことを指す。LOTでは1歯単位の移動や全歯の移動などさまざまなケースに対応できるとして、症例を複数供覧し解説した。LOTを成功させるためには、移動するスペースの確保、固定源の確保、干渉のコントロールの3つを守ることが大事だとした。また、アライナー矯正についてもふれ、アライナー矯正終了後に前突感や口唇閉鎖不全の残った患者が自院へ来院したケースを供覧。これをふまえて、どのような矯正治療であっても診断力、推察力、不測の事態への対応力が必要であるとして、矯正診断の基礎と最低限のエッジワイズ矯正を学んでから臨床に取り入れてほしいと述べた。

 講演の後に行われた質疑応答では、講演内容について気になったことや、臨床で困っていることまで多くの質問が出され、活気にあふれた会となった。

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