2024年2月28日掲載

山口文誉氏が「乳頭再建」をテーマにWeb講演

クインテッセンス出版株式会社、第45回WEBINAR(前編)を開催

クインテッセンス出版株式会社、第45回WEBINAR(前編)を開催
 さる2月28日(水)、山口文誉氏(神奈川県開業)によるWEBINAR#45「乳頭再建」(前編)(クインテッセンス出版主催、北峯康充代表取締役社長)が開催された。本セミナーは、山口氏が共著者である『乳頭再建Papilla reconstruction』の内容をベースに行われた。

 冒頭、山口氏は歯肉・軟組織の審美治療の満足度に大きな影響を与えるブラックトライアングルの発現率や多岐にわたる因子について言及。まずは十分に診査を行い、病因を見極めることが治療のファーストステップであると説明したうえで、良好な臨床結果を得るには症例に応じた矯正治療、補綴・修復治療のアプローチのほか、インターディシプリナリーアプローチの必要性についても述べた。

 次に、乳頭再建において重要なサージカルポイント1)Flap design、2)Incision、3)Magnification、4)CTG、5)Biomaterials――5つを示し、治療を成功に導くための要点を解説した。まず、歯間乳頭再建術は歯間乳頭部の狭さゆえに外科的アクセス手段が制限されていることや、血液供給の乏しい領域であることが治療を困難にしていることを詳しく説明した。その後、いかに歯間乳頭部周囲組織と移植した結合組織への血液供給を良好にさせられるかが治療成功における肝要であることを述べた。そして、血液供給や外科的アクセス、歯間乳頭部の移植などの観点から術野の状況に適した手法を身振り手振りを交えながら熱弁するとともに、歯周形成外科に適したインスツルメントとして、小型の切れ味の良いミニクレセントナイフ(マイクロブレード)の使用を促した。

 その後は、共著者である鈴木真名氏(東京都開業)オリジナルの歯間乳頭再建術であるIPAC(Interproximal Pouch Approach using CTG)テクニックのコンセプトとともに切開から縫合までの3ステップを詳説した。そして、症例を供覧しながら特に本術式の特徴といえる2枚の結合組織(移植片)の適応や、唇側水平切開を用いたトンネリングテクニックを中心に、各ステップの着眼点や注意点を解説した。また、術後良好な経過を得るには縫合が大きなカギとなることを強調した。

 なお、本Webセミナーの振り返り配信は、2024年6月6日(木)まで購入可能である。次回のWEBINAR#45「乳頭再建」(後編)は、3月6日(水)に鈴木氏の講演後、山口氏を交えてディスカッションを行う予定である。本セミナーの申込みはこちらから。

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