2024年3月31日掲載

沖縄県に約130名が参集

Amorphous 5th congress~琉球の華~開催

Amorphous 5th congress~琉球の華~開催
 さる3月31日(日)、沖縄県青年会館(沖縄県)において、「Amorphous 5th congress ~琉球の華~」(村田彰弘代表)が開催され、歯科技工士を中心に約130名が参集した。Amorphousは2008年に大阪府で立ち上げられた歯科技工士のスタディグループで、スタディグループとして活動するにとどまらず、2014年までに大阪府で4回のオープンセミナー(congress)を開催してきた。今回は10年ぶりに5th congressが企画されることになり、場所も大阪府ではなく初めて沖縄県で開催されることになった。

 最初に登壇した鬼頭寛之氏(歯科技工士、CURA ESTHETIC DENTAL CENTER)は「Zirconia framework and aesthetics」と題して講演を行った。鬼頭氏は、ジーシー社から新たに販売されたマイクロレイヤリング用陶材のイニシャル IQ SQINと従来のジルコニア用陶材であるイニシャル Zr-FSとの使い分けを解説した。

 松前 団氏(歯科技工士、LAGUZ SOWULO Dental Craft)は「咀嚼能力に留意した咬合面形態」と題して講演を行った。松前氏は、健康寿命を延ばすためには口腔内の健康と咀嚼機能を維持することが重要であるとし、その要素として咬合面の主機能部位などを挙げながら咬合面形態について解説した。

 加藤尚則氏(歯科技工士、カスプデンタルサプライ/カナレテクニカルセンター)は、「効率を考慮したジルコニアレストレーションのカラーマネージメント Quality & Efficiency」と題して講演を行った。加藤氏は、色調を数値で表すL*a*b*を用いて、シェードガイドやジルコニアディスクの色調をデータ化することで、臨床におけるジルコニアディスクの選択が効率的に行えると述べた。また、カラーリキッドが明度に与える影響についても言及した。

 橋中知之氏(歯科技工士、Tottori Dental Technology)は、「歯周組織との調和を目指した補綴設計」と題して講演を行った。橋中氏は、前歯部審美補綴における補綴装置製作による歯肉縁のコントロールや、さまざまな要因から両側をシンメトリーに製作できない場合のバランスのとり方について解説した。

 村田氏(歯科技工士、LAZARUS)は、「さすらいのラボ経営と燃え盛る技工士魂」と題して講演を行った。村田氏は、自身の経験をふまえて、聴講している若い歯科技工士に向けて熱いメッセージを送った。また、昨年度に受講していた大阪セラミックトレーニングセンター宮崎校週末コースの卒業製作作品について、そのコンセプトを紹介した。

 瓜坂達也氏(歯科技工士、LUCENT Dental Laboratory)は、「天然歯の模倣」と題して講演を行った。瓜坂氏は、天然歯を模倣し、口腔内に調和した補綴装置を製作するためのテクニックとポイントを臨床例とともに紹介し、技術を向上させるためのトレーニングの重要性を強調した。

 片岡繁夫氏(歯科技工士、大阪セラミックトレーニングセンター)は、「歯牙形態の類以性(基本三形態)」と題して講演を行った。片岡氏は、上顎中切歯における尖形・方形・円形という天然歯の基本三形態の特徴について、近遠心の隅角、歯頚性の形状、隣接面観における唇側面の形状、切縁観における唇側面観の形状といった観点から解説した。

 Amorphousのcongressが10年ぶりに開催されるということで、沖縄県在住の歯科技工士だけではなく、日本各地から聴講者が集まるほどの注目を集めた本会。今後、どのような展開を考えているのか、その動向に期待したい。

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