2024年2月1日掲載
小濱忠一氏が「長期的なインプラント周囲組織維持のための治療戦略」をテーマにWeb講演
クインテッセンス出版株式会社、第42回WEBINARを開催
冒頭、小濱氏は前歯部抜歯即時埋入の治療概念について、「即時埋入法」と「待時埋入法」双方の症例を示しながら、それぞれの術式の利点や考慮すべき事項について言及。待時埋入法の利点として細菌感染のリスクを抑えられることを述べつつも、自身のこれまでの臨床経験と文献を交えながら「インプラント埋入は抜歯後、可能な限り早期に行ったほうが治療期間も短く、結果も良好である」と即時埋入法の優位性を説いた。
また、抜歯即時埋入におけるインプラント選択基準のポイントとして、特に15Ncm以上の初期固定を得るうえで重要となる表面性状について解説。血液の濡れ性を高くすることが治癒速度の向上に寄与することを説明するとともに、実験動画を披露しながら表面性状を親水性にする手法として1)紫外線照射、2)コーティング処理、3)プラズマ照射――3つの手法を紹介した。
最後は、インプラント治療を成功に導くための上部構造の固定用式や歯肉貫通部における生物学的形態に言及しつつ、補綴治療の1つのオプションとしてインプラント治療を位置づけることの重要性を強調した。
氏の書籍では、40年以上の臨床経験から生まれた長期症例が多数紹介されており、本セミナーにおいても適応症から術式選択の基準、治療のゴール設定までをていねい解説するとともに、予定時間を超過するほど圧巻の症例の数々を供覧した。
なお、本Webセミナーの振り返り配信は、2024年5月1日まで購入が可能である。次回のWEBINAR#43は、きたる2月8日(木)、天川由美子氏(東京都開業)を招聘し、「MIコンセプトに基づいた審美修復治療」が開催予定である。両セミナーの申込みはこちらから。