2024年3月31日掲載

行田克則氏を招聘して「30年経過症例から歯肉を探索」

Esthetic Explorers特別講演会開催

Esthetic Explorers特別講演会開催
 さる3月31日(日)、富士ソフトプラザ・アキバシアター(東京都)において、Esthetic Explorers特別講演会(大谷一紀主宰)が約80名の参加者を得て開催された。もともとは行田克則氏(東京都開業)が2020年に『攻めのクラウン・ブリッジ』(小社刊)を上梓した際にEsthetic Explorers主催で行われるはずだった出版記念講演会。コロナ禍で延び延びになっていたが4年経ちようやく実現したもの。

 前半は、湯浅直人氏(歯科技工士、大谷歯科クリニック)がセラミッククラウンによる天然歯の色の模倣と濃度と透明度を基準に考える象牙質陶材製作について講演。支台歯形成量(状況に応じた必要量の削合)、色情報(精度の高い目標歯と支台歯の色情報の伝達)、製作技術の3つのキーポイントを挙げて解説した。

 メインの行田氏はおよそ2時間半のたっぷりの時間を使って「30年経過症例から歯肉を探索」と題して講演。自身が提唱する歯肉縁下(接合上皮)マージンの臨床で35年間のマージン露出率は1%以下という臨床像を20もの長期経過観察症例から検証した。また、行田氏は“歯根膜は最大の友”を提唱し、歯肉縁下形成で歯根破折歯も救えることを新提案。歯根破折した歯でも歯根膜さえ健全であれば、歯肉縁下形成の臨床で歯根が再生し、救えることも症例を通じて紹介した

 本会Esthetic Explorersをはじめとして、学会やスタディグループ、講演会など、徐々に現地開催の催しが戻りつつある。会場内では久しぶりに顔をあわせた様子が散見され、日常の戻りをあらためて感じさせる会となった。

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