目次
チェアサイドでの咀嚼機能検査
佐々木啓一/野首孝祠/河野正司/築山能大/
古谷野潔/馬場一美/大山喬史
チェアサイドで簡便に行い得る咀嚼機能検査法があれば、臨床判断の際に有用な情報が得られ、費用対効果なども含めて歯科医療の成否を総合的に判定する際にも役立つ。日本補綴歯科学会において開催したシンポジウムをベースに、現在臨床に導入されている咀嚼機能検査法をトピックスとして紹介する。
特別シリーズ:研修歯科医は何を学ぶか 総説
総説:研修方略の重要性
住友雅人
特別シリーズ:研修歯科医は何を学ぶか 1.高頻度治療
高頻度治療-協力型臨床研修施設におけるプログラムの提示-
鴨志田義功
必修化される歯科医師臨床研修制度では、研修医の到達目標の達成が中心的な課題となっている。この目標の達成には行動目標の設定、方略の構築、評価が必要である。協力型臨床研修施設である一般歯科診療所において、習熟コースの高頻度治療のユニットのプログラムの作成と実践について考察した。
特別シリーズ:研修歯科医は何を学ぶか 2.医療安全・感染予防
医療安全・感染予防-歯科医院における医療事故予防-
佐久間泰司
医療事故は不可抗力で起こるのではなく、医療機関内部の業務システムの改善等により予防可能である。医療機関における安全対策として、(1) 安全管理のための指針、(2)医療事故等の院内報告制度、(3)安全管理のための委員会、(4)安全管理の体制確保のための職員研修が求められる。
シリーズ企画:矯正治療におけるスケルタルアンカレッジ(その2)
ミニインプラントの設計と埋入位置の設定
テンポラリー・アンカレッジ・デバイス(TAD):ミニインプラントの設計と埋入位置の設定
本吉 満
新しい矯正用ミニインプラントを開発することを目的に、スレッド-ピッチとアバットメントの力学的影響について検討した他、ミニインプラントの成功率を向上するための適切な埋入トルクについて調査した。本論文ではさらに、良好な治療効果を得るためのインプラント埋入位置の設定方法について述べる。
シリーズ企画:摂食・嚥下-1.摂食・嚥下機能に関わる生体の解剖と生理を探る
摂食・嚥下機能の解剖と生理
井上 誠
本稿では、従来の「認知期」、「準備期」、「口腔期」、「咽頭期」、「食道期」と分けた「摂食・嚥下の5期」、さらにステージII移送の存在をもとにした「プロセスモデル」の考え方について、解剖学および生理学的な視点から説明をする。さらに嚥下運動に関わる末梢の神経・筋機構、中枢神経回路について解説する。
セルフエッチングシステムの臨床成績
セルフエッチングシステムの臨床的接着耐久性
秋本尚武/英 將生/高水正明/桃井保子
現在広く臨床で用いられているレジン接着材は、ほとんどがセルフエッチングになっている。臨床家にとって一番気がかりなセルフエッチングシステムの臨床的接着耐久性について、セルフエッチングシステムの長期および短期臨床成績から検討する。
歯科インプラント手術と静脈内鎮静法
歯科インプラント手術と静脈内鎮静法過
小谷順一郎
インプラント手術が他の歯科治療と異なる特徴について歯科麻酔科医の視点から述べる。また、理想的な鎮静状態とその方法、静脈内鎮静法と上気道反射の関係などについて、これまでの報告をレビューする。
翻訳論文
■歯科医師の眼球運動に対する三次元的分析
馬場宏俊/下岡正八
■抗菌性接着システムを用いた根面う蝕の進行抑制
今里 聡/恵比須繁之/倉本明子/Walls AWG
■前歯部開咬患者の咬合力と下顎頭運動
宮脇正一/荒木佳子/谷本裕子/片山 朗/
藤井昭仁/今井美香子/山本照子
■原始的と退化的な第三大臼歯エナメル質の組織構造と元素組成の比較
陶 粟嫻/高橋正志/宮川行男/中原 泉
用語解説
■スケルタルアンカレッジ(アンカー矯正、インプラント矯正)
葛西一貴