目次
第1章 審美修復治療の新しい治療概念
1.根管治療歯にメタル・セラミックスを選択する際の臨床基準とその限界
1‐1.口腔内の条件に適したマージン部の設計の必要性
1‐2.ディスアピアリング・マージンの適応範囲
1‐3.従来型ポーセレン・マージンの適応範囲
1‐4.モディフィケーション・マージンの適応範囲
まとめ
2.審美修復の新たな治療概念に基づく根管治療歯における修復物の選択
2‐1.従来型支台築造、およびセメント合着の問題点
2‐2.現在の支台築造‐接着性レジン・ポスト&コア・システム
2‐3.合着から象牙質接着システムへ
2‐4.ポーセレン・ラミネート・ベニア(PLV)適応範囲の拡大
2‐5.オール・セラミック・クラウン修復の適応範囲
2‐5‐1 各種コーピングの特徴
1材質と製作工程の違いによる構造
2各種コーピングの色調
3強度を考慮したコーピングの部位別選択基準
4蛍光性、光透過性を考慮した色調回復におけるコーピングの選択基準
2‐5‐2 修復物選択時に考慮すべき事項=相反する光透過性とマスキング効果を
どのように判断するか?
1光透過性が最も優れたプレス・タイプ・コーピングの選択基準
2光透過性とマスキング効果を併せ持つ酸化アルミニウム・コーピングの選択基準
3メタル・フリー・ブリッジ:酸化ジルコニウム
2‐5‐3 各種マテリアルの装着
1修復物の前処理
2接着性レジン・セメントの使い分けと取り扱い上の注意点
3.総括:生活歯・根管治療歯に対する修復物およびマテリアル選択のガイドライン
3‐1.修復物の選択基準とその対応
さまざまな症例への対応
症例1 白く透明感のある色調再現のために、変色した生活歯のブリーチング後にPLVを選択
症例2 透明感再現のため、変色した根管治療歯のブリーチング後にPLVを応用した症例
症例3 シャドウとブラック・マージンの発見防止のためにオール・セラミックス(ProceraAluminia)を応用
症例4 ディスカラレーション歯に対するマスキング効果を有するオール・セラミックス(In-CeramAlumina)の応用
症例5 光透過性再現とシャドウの発見防止のための、メタル・フリー・ブリッジの応用
症例6 白さと透明感の回復のために上下顎で異なるマテリアルを選択して審美性を回復した症例
まとめ
第2章 治療のゴールを見極めるための鑑別診断と考慮事項
1.顔貌および口唇との調和:その診査と治療計画の実際
1‐1.審美的要素の診査(1):歯列の正中と切縁線決定のための診査の実際
1‐2.審美的要素の診査(2):口唇‐歯‐歯肉の関係(スマイル・ライン)の診査の実際
1‐2‐1 口唇‐歯‐歯肉の関係に対する鑑別診断のキーポイント
1‐3.総合診断、治療計画、前処置の実際
1‐4.最終印象採得後の歯科技工士への情報伝達:修復物の口腔内試適時の評価と対応
さまざまな症例への対応
症例1 適切な色調および形態の回復によるスマイル・ラインの回復
症例2 歯肉レベルの改善による審美的スマイル・ラインの獲得
症例3 顎位と咬合高径の改善によって適切なスマイル・ラインを獲得した症例
2.歯科技工士との連携に基づく適切な色調回復
2‐1.適切な色調回復のために考慮すべき事項
2‐1‐1 修復物の選択と設計
2‐2.支台歯形成とディスカラレーション状態(削除量、変色状態)
2‐3.適切な情報が含まれたシェード・テイキング
さまざまな症例への対応
症例1 残存歯のブリーチング後、同名歯を同種のメタル・フリー修復物で色調再現
症例2 隣接するブリーチ・シェード歯に対して、明度・彩度・透明感の調和を図った症例
症例3 単独歯であり、特徴的なキャラクターと色調の再現が必要な症例難易度鑑別の問題点を考慮
3.歯科技工士との連携に基づく適切な歯冠形態の回復
3‐1.審美的歯冠形態回復のための考慮事項
3‐2.歯冠形態と歯肉レベル評価のためのガイドラインと基本的な活用例
基本症例 比較的難易度の低い症例へのガイドラインの応用例
3‐3.症例の条件に応じて応用するアレンジメントのいろいろ
条件に応じたさまざまな歯冠形態例1
30代後半女性、幅径が広い中切歯のスペースに対し、歯冠を近心に捻転させて幅径を狭くみせた例
条件に応じたさまざまな歯冠形態例2
30代前半女性、歯周外科後の歯冠長を長くみせない形態付与と
歯肉レベルが異なる同名歯に対する対応
条件に応じたさまざまな歯冠形態例3
50代女性、幅の広い中切歯ポンティック部に対し歯冠幅径を狭く、
歯冠長を長くみせるための形態付与
条件に応じたさまざまな歯冠形態例4
上下顎歯冠幅径のディスクレパンシーとブラック・トライアングルを是正し、
男性的な歯冠形態を付与
条件に応じたさまざまな歯冠形態例5
60代男性、スクエア顔貌に対する形態付与
4.支台歯周囲組織とクラウンとの調和
4‐1.術後症例から学ぶ:生物学的要件に関するガイドラインの活かし方
症例1 術後の歯頚線の非対称、歯肉退縮、ブラック・マージンの原因を考える
症例2 ThinScallopにおける歯肉退縮の原因を考える
症例3 歯間乳頭部炎症の原因を考える
Summary‐1 支台歯周囲組織と調和を図るためのポイント
Summary‐2 治療難易度の高い条件と生じやすい問題点
4‐2.支台歯形成と印象採得の留意事項
4‐2‐1 支台歯形成
1構造力学的要件
2生物学的要件
3審美的要件
4‐3.印象採得
1前処置としての歯周組織のコントロール
2歯肉圧排において考慮すべき事項
4‐4.条件が異なる臨床例における対応
4‐4‐1 支台歯周囲組織の審美性と予知性を高めるためのステップ
さまざまな症例への対応
症例1 歯の位置は不正、歯肉はThinScallop
症例2 前処置としての矯正治療によるブラック・トライアングルへの対応
症例3 歯周外科処置後の補綴的なブラック・トライアングルへの対応
症例4 補綴によるブラック・トライアングルへの対応
症例5 歯根近接歯に対する対応
Summary‐1 支台歯周囲組織の審美性を左右する因子
Summary‐2 支台歯形成
Summary‐3 歯肉圧排と歯周縁下カントゥア
Summary‐4 隣接面歯冠形態の決定要素(DGC、歯肉のBiotype、歯根近接)に基づく
コンタクト・ポイントの設定位置
Column1 ハーフ・ポンティック
5.支台歯周囲組織とポンティックとの調和
5‐1.生理的・審美的・機能的なポンティック製作において考慮すべき事項
5‐1‐1 ポンティック基底面の選択
5‐1‐2 ポンティック製作にあたっての治療目標
5‐1‐3 欠損部歯槽堤と調和したポンティック形態を得るための対応
5‐2.欠損部歯槽堤と調和したポンティック形態を得るための基本症例‐補綴処置のみで
対応可能な場合
5‐3.さまざまな欠損部歯槽堤への対応
5‐3‐1 補綴的処置のみで対応可能な場合
5‐3‐2 前処置を必要とする場合
Column2 長期的に安定したポンティック基底面設定のポイント
5‐4.歯科技工士とのコラボレーションの実際
第3章 複雑な症例の治療段階別解説
症例1 支台歯周囲組織の審美性を獲得するための基本症例
症例2 歯周形成外科を応用してスマイル・ラインを改善した症例
症例3 口唇との調和を図るための歯冠形態の決定
症例4 咬合再構成後の適切な色調と歯冠形態の回復
症例5 治療咬合の確立と適切な修復物の選択によりスマイル・ラインを改善した症例
まとめ