社会|2026年10月7日掲載
化粧(整容)の力で口腔機能を支える「口腔外ケア」
高齢者向け体験型セミナー“口腔ケアコース”が全国8都市で開催
さる9月15日(火)、65歳以上を対象とした「高齢者セミナー 口腔ケアコース」(資生堂ジャパン株式会社主催)が全国8都市(札幌、仙台、さいたま、横浜、名古屋、大阪、広島、福岡)で開催された。本セミナーでは、同社が2010年から15年間にわたり研究してきた「化粧療法」の知見をもとに、スキンケアや身だしなみを整える「整容」を通じて口腔機能の維持・向上を目指す「口腔外ケア」が紹介され、専門家による講演や実際にスキンケア体験も行われた。
第1部では、化粧療法学・老年化粧学を専門とする池山和幸氏(資生堂みらい開発研究所主任研究員)が「健康長寿の秘訣は、整容で栄養―知って得する身だしなみの意外なパワー」と題して講演した。
池山氏は2005年の資生堂入社以来、化粧療法の研究に従事。化粧療法を「美容」のみにとどまらず、高齢者の心身の健康やQOL、健康寿命を支える手段として捉え、研究を続けてきた。
今回の講演では、身だしなみを整える「整容」という日常的な行為と「栄養」との関係について解説。高齢者では、加齢にともない口腔機能や心身機能の低下、いわゆるフレイルが問題となっていることから、化粧(特にスキンケア)を用いたフレイル予防として、「脳への栄養」「肌への影響」「身体への栄養」という3つの切り口で、明日から実践できるコツを伝えた。そのうえで、化粧やスキンケアといった「整容」をきっかけに、顔や口もとに触れたり、自身の外見や身体に意識を向けたりすることが、健康長寿につながる可能性を示した。
また、こうした考え方を実践に落とし込んだ、同社が提案する「口腔外ケア」について言及。口腔内を直接ケアするのではなく、口の外側からスキンケアなどを行い、日常のお手入れをとおして口腔機能の維持・向上を目指すアプローチについてわかりやすく解説した。
第2部では「整容が口の健康につながる簡単お手入れ法」をテーマに、参加者がスキンケアを実践。顔や口もとをやさしくケアする動作を取り入れながら、日常生活に無理なく取り入れられる「口腔外ケア」を体験した。
各会場では同社の社員のみならず、同社の「化粧療法講座」の認定試験に合格した「資生堂 化粧療法セラピスト+」が参加者をサポートし、一人ひとりに合わせた体験を支援した。
オーラルフレイル対策では、口腔内のケアに加えて、栄養や運動、社会参加などを含めた多面的な取り組みが求められている。「整容」という身近な行為を入り口に、口への意識を高める「口腔外ケア」は、歯科医療における新たな予防アプローチとしても注目される。