学会|2026年10月19日掲載

「食べる」を支える口腔摂食嚥下ケア~勘所を押さえる~をテーマに

第31回日本口腔ケア協会学術大会並びに日本口腔ケア学会秋季大会開催

第31回日本口腔ケア協会学術大会並びに日本口腔ケア学会秋季大会開催

 さる10月18日(日)、日本大学歯学部100周年記念講堂(東京都)において、第31回日本口腔ケア協会学術大会ならびに日本口腔ケア学会秋季大会(米永一理大会長、夏目長門理事長)が開催され、約150名の歯科医療関係者が参集した。

 大会冒頭で大会長として挨拶した米永氏(日本大学歯学部摂食機能療法学講座主任教授)の「幅広い関連領域とのつながりを意識した」との言葉どおり、口腔ケアにまつわる高齢者や有病者への周術期対応、入院患者の口腔ケアにおける多職種連携の実際、薬学部での口腔ケア教育の現状、歯科関連学会としては異例の、一般人も対象とした本会の認定制度「口腔ケアアンバサダー」の取り組みなどのテーマについてプログラムが組まれた。また、大学病院や基幹病院などさまざまな環境の最前線で口腔ケアに取り組む歯科医師を中心に、歯科衛生士、医師、薬剤師など、幅広い分野の演者により講演が行われた。一般的な口腔ケアにとどまらない講演に、参加者は興味深く耳を傾け、質疑応答がなされた。

 なかでも、シンポジウム1では学会独自の取り組みを取り上げ、「口腔ケアアンバサダー制度開始5年間の変遷 医歯薬から見たアンバサダーの活用術」と題し、座長・モデレーターを務める米永氏から、最初に制度概要と現状説明が行われた。制度発足から認定者は増え続け、約5年で合計約3,800名となり、その内訳は歯科衛生士や看護師が中心で、最近は学生も増えているという。

 まず、みずからも認定者である外崎奏汰氏(十和田市立中央病院総合診療科・医師)が講演した。日常臨床で口腔衛生不良な患者に遭遇しても「見る」だけであったが、口腔ケアへの理解が進むと「自分ごと」となり、口腔内の状態を「診る」ことができるようになったという。

 次に松村香織氏(公立八女総合病院歯科口腔外科・歯科医師)が、米永氏の案内により、勤務先の病院で歯科衛生士、看護師を中心にスタッフ100名以上を対象に院内受験を行ったことを講演した。歯科衛生士・看護師を中心によびかけたことで、院内スタッフに広がり、以前より患者の口腔内の観察・評価を適切に行うことができ、早期介入につながった例もあるとした。

 最後に、岩田紘樹氏(慶應義塾大学薬学部・薬剤師)は、令和4年に改訂された薬剤師のモデルコアカリキュラムに初めて「口腔ケア」が記載されたことなど、薬剤師教育における口腔ケア教育推進の流れにふれ、薬剤師は医薬品の口腔内副作用の予防・早期発見可能な職種として臨床現場で口腔ケアに携わる意義があること、投薬を行う全身疾患との関連性への理解、さらには口腔ケア用品の適切な選択で貢献できる可能性について述べた。

 また、企業展示には大会長とともに共同研究・製品開発を行う企業が出展し、多数の参加者でにぎわった。なお次回は、きたる2027年2月21日(日)に新潟大学歯学部講堂(新潟県)において冨原 圭氏(新潟大学大学院医歯保健学研究科顎顔面口腔外科学分野教授)を大会長に開催予定である。

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