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Rho(D)血液型

【読み】
あーるえいちおー(でぃー)けつえきがた
【英語】
Rho blood type
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【意義・目的】1940年LandsteinerとWienerがアカゲザルの血球免疫によって得た抗体から発見した血液型である。Rh血液型では血球抗原に対応する抗体を用いた型判定から遺伝因子型も判定し得ることが、他の血液型と異なっている。赤血球膜上にRho(D)抗原をもつ場合をRh陽性(Rh+型)、もたない場合をRh陰性(Rh-型)という。Rho(D)抗原はRh式血液型の中で最初に発見された抗原で、輸血や妊娠などにより抗体を産生する能力が最も強いことからRh式血液型の代名詞として用いられている。Rh型はABO型と異なり、Rh陰性の人でも血清中に正常抗体をもっていない。しかし、Rh陽性の血液をRh陰性の人に輸血すると、Rh陰性の人は免疫されて抗体を作り、後にRh陽性の血液を輪血したときの輸血副作用の原因になる。また、Rh陰性の婦人がRh陽性の胎児を妊娠分娩すると、分娩時に胎児血球が母親の血液中に入り、母親が免疫されて抗体を作る。この抗Rh抗体は胎盤を通して胎児の血液中に入り、胎児の発育障害や新生児溶血疾患の原因になる。日本人におけるRh陽性の頻度は99.5%である。
【検査法】検査血球を自己血清または血漿浮遊液とし、スライドガラス上で、これに判定用抗Rh血清および陰性対照用のウシアルブミンを各1滴ならベて滴下し、凝集の有無を調べる(スライドガラス法)。または上記の混和を試験管内で行い、遠心したのち血球の沈澱を管底からはがすように試験管を振って凝集の有無を観察する(試験管血清法)。
【結果・評価】検査血球が判定用抗Rh血清に凝集し、アルブミンに凝集しなければRh陽性、抗Rh血清およびアルブミンにともに凝集しなければRh陰性と考えるが、Rh陰性の場合は確認試験が必要である。