IL-2活性検査(末梢血・滲出液)
- 【読み】
- あいえる-にかっせいけんさ(まっしょうけつ・しんしゅつえき)
- 【英語】
- interleukin-2 activity test
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【定義】IL-2は、T細胞の増殖を選択的に促す可溶性の因子つまりT細胞増殖因子(TCGF、Tcell growth factor)として同定されている。
【意義・目的】IL-2の主な作用はB細胞の増殖・分化などの作用をはじめとして、抗原特異的キラーT細胞の活性化、リンホカイン活性化キラー細胞の活性化、NK細胞の活性化の増加などである。キラーT細胞やNK細胞はウイルス感染細胞を排除してウイルスの増殖を抑制したり、活性化されたB細胞は細菌の感染防御において中心的役割を果たす抗体の産生に関与している。このように、IL-2は感染防御をはじめとした免疫反応系に重要な役割を果たしていることから、IL-2活性の測定は意義あることである。
【検査法】
1)PHA(phytohemagglutinin)やCon A(concanavalin A)のようなマイトゲンで活性化して、IL-2に対するレセプターを発現している細胞に検体試料を加え、IL-2結合によるT細胞の増殖を、DNA合成を指標として測定する方法である。
2)Gillsらによって確立されたIL-2存在下でのみ増殖する。いわゆるIL-2依存性T株化細胞やNK細胞株に、検体試料を加えその細胞株のDNA合成を指標として測定する方法である。
【結果・評価】IL-2活性値(単位/ml)について、国際的に認められ、統一された算出法は現在はなく各研究室で独自に行われている。通常、ラット脾臓細胞Con A刺激培養上清がIL-2の標準サンプルとして用いられ、被検試料のIL-2活性値(単位/ml)を算出する。つまり、標準サンプルの最大値の50%値を与える検体試料の希釈倍率の逆数を単位/mlとする算出方法である。臨床に参考となるIL-2活性値は、現在のところ明らかにされていないが、1×105単位を皮下に注入すると強い炎症反応が誘導される。