アミノ酸分析
- 【読み】
- あみのさんぶんせき
- 【英語】
- aminoanalysis
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【意義・目的】アミノ酸は、蛋白質の構成成分で生体の代謝に関して重要な役割をはたしている。食物として摂取された蛋白質は、ペプシン、トリプシン、キモトリプシンなどの消化酵素の作用を受け遊離アミノ酸に分解され、主として小腸より吸収され、門脈を経て肝臓で生体アミノ酸プールとして貯えられる。血漿アミノ酸濃度の定性、定量は、生体内アミノ酸、蛋白代謝の異常を推定する重要な検査法であり、実際には、先天性アミノ酸代謝異常症の診断、治療上不可欠のものである。
【検査法】血液を材料とする場合:
1)採血は、早朝空腹時に行う。
2)ヘパリンまたはEDTAを添加してすみやかに血漿を分離する。3000回転、10~15分。
3)スルフォサリチル酸、三塩化酢酸、ピクリン酸、過塩素酸、タングステン酸などの除蛋白剤を加えて上清を分離する。
4)血漿遊離アミノ酸は、遊離アミノ窒素として定量される。これら、除蛋白液を比色分析、ペーパークロマトグラフィ(PC)、薄層クロマトグラフィ(TC)で半定量的に測定する。
尿を材料とする場合:
1)食事による変動を避けるため、早朝空腹時尿、あるいは1日の蓄積尿で検査する。
2)蓄尿時は、防腐剤を加え除蛋白として用いる。血液と同様の検査法で測定する。
個々の血漿遊離アミノ酸の分画定量は、高速液体クロマトグラフィによって行われる。
【結果・評価】一般に血漿アミノ酸濃度は、アミノ酸の血漿への流入および流出によって決まる。先天性アミノ酸代謝異常、肝疾患、内分泌代謝疾患、重症感染症および外科的手術後、悪性腫瘍、栄養障害などで血漿遊離アミノ酸、尿中アミノ酸の増減が認められる。