アミラーゼ
- 【読み】
- あみらーぜ
- 【英語】
- amylase、Amy
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【意義・目的】でんぷんやグリコーゲンなどの多糖類のα-1.4グルコシド結合を加水分解し、マルトースにまでする消化酵素である。ヒトにおける主な産生臓器は膵臓と唾液腺である。
【適応疾患名】急性膵炎、慢性膵炎、膵癌などの膵疾患、唾液腺疾患のみならず、肝・胆道疾患、マクロアミラーゼ血症の場合に診断上重要である。
【検査法】
Caraway変法:でんぷんにアミラーゼを作用させて、残存するでんぷんをヨードでんぷん反応で測定する。
Blue Starch法:色素を交差結合させた不溶性でんぶんを基質として用い、アミラーゼの作用により遊離してきた色素を比色定量する方法。
Somogyi法:アミラーゼを作用させ、加水分解された還元糖量を測定する。
共役酵素法:アミラーゼをオリゴサッカライド、でんぷんなどの基質に加え、さらに添加共役酵素の作用により生成するグルコース、G.6.Pなどを定量する方法。
【正常値】血清130~400IU/l 尿200~1500IU/l(Blue Starch法)。各施設における正常値を設定する必要がある。
【結果・評価】血清および尿中アミラーゼ活性がともに上昇する場含には急性膵炎、慢性膵炎増悪期、耳下腺炎、肝・胆道疾患などがある。膵疾患では尿中アミラーゼ活性のほうが血清アミラーゼ活性よりも高値を示し期間も長く、唾液腺疾息では尿中および血清アミラーゼ活性の上昇の程度、期間が同じであり、ほぼ同時に正常化する。血清アミラーゼ活性のみが高く尿中アミーゼ活性が高くない場合マクロアミラーゼ血症、腎不全が考えられ、血清および尿中アミラーゼがともに低い場合、急性劇症膵炎、膵癌末期、Sjogren症候群などがあり、著明の低値を示す場合は予後が悪い。