アンギオテンシンI転換酵素
- 【読み】
- あんぎおてんしん1てんかんこうそ
- 【英語】
- angiotensin converting enzyme、ACE
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【同】キニナーゼII、ペプチダーゼP、カルボキシカテプシン、ジペプチジルカルボキシペプチダーゼ
【定義】ACEはレニン-アンギオテンシン系で、不活性型のアンギオテンシンIを活性型のアンギオテンシンIIに転換する酵素である。また、カリクレイン-キニン系においてブラジキニンのC末端からジペプチドに水解し、ブラジキニンを不活性化させる酵素でもある。
【意義・目的】ACEは生体内に広く分布し、なかでも肺において強い活性を有し、肺以外では腎、睾丸、小腸および前立腺で活性が認められ、その他血漿、尿、精液中に存在していている。
【適応疾患名】サルコイドーシス
【検査法】
1)分光吸光測定法(CushmanとCheung法、笠原法)
2)蛍光測定法
3)RIA法
【正常値】Cushman法13~49(平均31)IU/l、正常値は各測定方法間でかなりの差があり、男女間に若干有意差が認められ(女>男)、年齢差はみられない。
【結果・評価】血清ACEが高値を示す疾患:活動性サルコイドーシスの79~85%にACEの活性上昇が認められる。網膜症を合併した糖尿病患者は上昇が顕著、慢性腎不全、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変で上昇が認められる。
血清ACE活性が低値を示す疾患:甲状腺機能低下症、活動性Crohn病、慢性白血病、多発性骨髄腫、肺癌、慢性閉塞性肺炎などである。