ウロビリン体
- 【読み】
- うろびりんたい
- 【英語】
- urobilin body
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【意義】腸管内に排泄された胆汁中の抱合ビリルビンは腸内細菌の還元作用を受けてウロビリノーゲンとなる。ウロビリノーゲンの大部分は糞便中に排泄されるが、一部は再及収されて肝から胆汁へ再排泄され、残りの微量は尿中へ排泄される。ウロビリノーゲンは無色であるが、体外では容易に酸化されて褐色のウロビリンに変化するので、ウロビリノーゲンとウロビリンの両者を合せてウロビリン体ともいう。ウロビリノーゲンの尿中排泄量は溶血性疾患や肝細胞性疾患で増加し、胆管閉塞や重症肝疾患で著明な減少または欠如する。糞便中ウロビリノーゲン排泄量は肝疾患や胆管閉塞により減少または欠如し、溶血性疾患では増加する。しかし、ウロビリノーゲン排泄量は生理的にも種々の要因により変動するので、臨床的には著明な増量と減少または欠如した場合に意味をもつ。
【適応疾患名】肝胆道疾患、溶血性疾患
【検査法】ウロビリノーゲンはアルデヒド反応による発色、ウロビリンは亜鉛複合体による緑色蛍光がそれぞれの検出に利用されるが、非特異的反応が多く含まれることを考慮しなければならない。
1.尿中ウロビリノーゲン
1)Ehrlichのアルデヒド反応
(1)アルデヒド試薬;p-dimethylaminobenzaldehyde:2gに5mlの濃塩酸を徐々に加えながら溶解した後、水を加えて全量100mlとする(Clemensの処方)。
(2)操作:新鮮尿の約3mlにアルデヒド試薬5~10滴を加える。
(3)判定:室温にて3分以内に赤色を示すものは病的であり、3~5分後に微赤色となるものを正常、さらに5分以上経て赤色が認められないものも病的である。
2)定量法:アルデヒド反応による発色を比色定量する。
正常値(HenryらのWatson変法):2時間値0.63~0.97単位/dl(平均0.46単位/dl)
2.尿中ウロビリン
ウロビリンと酢酸亜鉛の反応により生ずる亜鉛複合体の緑色蛍光を検出する(Schlesinger法)。蛍光が20倍以上の希釈尿で陽性の時に病的増量と判定する。
3.糞便中ウロビリノーゲン
正常値 130~250mg/100g糞便(Watson法)
4.糞便中ウロビリン
Schlesinger法による緑色蛍光を検出する。