栄養状態の評価
- 【読み】
- えいようじょうたいのひょうか
- 【英語】
- assessment of nutritional status
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【目的】健康な体をつくり、かつそれを維持するために必要にして十分な食物が摂取されているか否か、そしてもし必要にして十分な食物が摂取されていないとしたら、それをどのようにして改善するかという問題に答えるのが栄養状態評価の目的である。WHOは、栄養状態の評価は身体計測、臨床診断、栄養調査を基本とするよう勧告している。
【検査法】
1)身体計測:身体、体重、胸囲、座高、頭囲などを測定し、栄養状態の評価に用いる。
判定方法としては体格指数(付表)、基準体重比、成長曲線の作成などがある。
(付表)体格指数
比重体重 W/L×102
Kaup指数 W/L 2×104
Rohrer指数 W/L3×107
Livi指数 3√W/L×103
Ponderal指数 L/3√W
W=体重(kg)、L=身長(cm)
2)理学的所見。
3)生化学的検査:糖質、脂質、蛋白、ビタミン、無機質など。
4)特殊な検査:血圧測定、X線学的検査(手部X線撮影による骨年齢の評価)。
5)栄養調査:食事の内容、習慣、嗜好を知り、栄養素の摂取量やそのバランスを検討する。
【判定基準・評価】体格指数では、乳児期にはKaup指数、学童期にはRohrer指数がよく用いられている。やせ(栄養不足)と肥満(栄養過剰)を判定するが、その判定基準は年齢によって一定しない。乳幼児期Kaup指数20以上を肥満、15以下をやせとし、学童期以降はRohrer指数160以上を肥満、120以下をやせとするのがふつうだが、最近では基準体重比を用いるのがより一般的になってきている。基準体重比の判定基準は〔(実測体重-年齢別・身長別基準体重)-1〕×100(%)=肥満度が20%を越えるものを肥満とし、-20%以下をやせと定義する。乳児を含め年少児では、成長曲線による判定のほうがよりのぞましい。厚生省による“乳幼児の身体発育値”や文部省による“学校保健統計調査報告書”をもとに作成した成長曲線作成図を用いて、体重や身長の成長曲線をつくることができる。その判定基準は成長曲線作成図に示す曲線に沿った身長あるいは体重の増加がみられれば正常であるが、この曲線に比べ上向き、または下向きの成長曲線になるようなら異常である。