FTA-ABS試験
- 【読み】
- えふてぃーえー-えーびーえすしけん
- 【英語】
- flnuorescent treponemal anti-body-absorption test
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【同】梅毒蛍光抗体吸収法
【意義・目的】梅毒の診断は、臨床的方法、梅毒トレポネーマ(TP)を病巣より検出する方法、血清反応を利用する方法などによる。なかでも血清反応による方法は確定診断に最も優れた方法であり、その1つであるFTA-ABS試験は梅毒感染の早期から陽性化し、鋭敏度、特異性ともに優れ、梅毒の確認試験として有用である。また、感染初期抗体であるIgM抗体を検出するIgM-FTA-ABS法もある。
【検査法】抗原として梅毒TP(Nichols株)をスライドグラス上に塗抹し、乾燥、固定後、被検血清を加える。血清中に梅毒TPに対する抗体があれば、グラス上で反応が起こり抗原抗体結合物が生じる。そこへ蛍光色素で標識した抗ヒトγ-グロブリン抗体を作用させると、この抗原抗体結合物のTP抗体と結合する。それを適当な蛍光顕徴鏡で観察するのである。
【結果・評価】上記の最終反応で生じた抗原抗体結合物が黄緑色の蛍光を発すれば陽性とする。FTA-ABS試験陽性者は梅毒患者と断定しうる。何となれば、FTA-ABSのABSというのは非特異抗体を吸収排除した後のことで、FTA試験がきわめて特異性に富んでいることを意昧する。その上、本法は梅毒感染の初期、二期、晩期と、どの時期においても、他の血清反応よりも鋭敏で、しかも高率に陽性を示すので梅毒の確認試験として有用である。