黄疸指数
- 【読み】
- おうだんしすう
- 【英語】
- icterus index
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【同】モイレングラハト(Meulengracht)数
【定義】血漿(または血清)中のビリルビン濃度を測定するのに最も簡単な方法で、肉眼で黄褐色の基準液と比色して得られた血漿希釈倍数である。
【目的】この指数は、血漿中ビリルビン濃度と平行することから、黄疸の有無およびその強さを判定するのに用いられる。
【適応疾患名】黄疸を起こす疾患、すなわち、肝性黄疸(急性・慢性肝炎、肝硬変、急性黄色肝萎縮、肝癌など)、閉塞性黄疸(膵頭部癌、総胆管胆石など)、溶血性黄疸(溶血性貧血など)。
【検査法】
1)早朝空腹時に静脈血約2mlを採血し、抗凝固薬を入れた試験管に入れる。
2)遠心し、血漿を分離する。
3)血漿0.5mlをモイレングラハト比色計の真中の(目盛付)試験管に入れる。
4)白い背景の前で、基準液と比べながら、生理食塩液を血漿に加え、同一色調になるまで希釈する。
5)希釈倍数を試験管の目盛で読み取る。
【正常値】4~6
【結果・評価】7~15は潜在性黄疸(外観上、黄疸があることはわからないが、血漿中ビリルビン濃度が正常をこえて上昇した状態)、15以上は顕性黄疸(外からみて、それとわかる程度の黄疸)を示す。
後者をさらに細分すると、次のようである。
15~30:軽度の増加
30~70:中等度の増加
100以上:高度の増加
【施行・判定上の注意】
1)食後の血漿(血清)を用いると、脂肪滴で血漿が白濁し、比色しにくくなる。
2)血漿の色が著しく濃いときには、あらかじめ何倍かに希釈した血漿を用いる。
3)溶血した血漿では、測定不可能。
4)直接ビリルビンは間接ビリルビンより黄褐色調が強く、黄疸指数は高く出る。
5)基準液は、時間が経つと色がうすくなることがあるので、ときどきチェックする必要がある。